10月28日から11月3日までの6泊７日の日程で、韓国高校生訪日研修団（第3・4団）計107名が来日し、研修を行いました。
（第3団団長：丁仁燮（チョン・インソプ）　全羅北道教育庁奨学官、第4団団長：朴虎男（パク・ホナム）　国立国際教育院研究士）

都内では、日本科学未来館などを見学し日本の先端技術にふれ、また外務省を表敬訪問しました。外務省では伴野豊外務副大臣の挨拶に続き、丁仁燮3団団長の答礼の挨拶を行い、質疑応答に入りました。
団員からは、日韓交流の外交政策、円高対策、環境や気候変動など、さまざまな質問が相次ぎましたが、副大臣はわかりやすく、そして真摯にご回答くださり、団員はたいへん感動しました。
3日目、3団は鹿児島へ、4団は和歌山へ移動し、その後それぞれの地域でホームステイ、学校訪問、地場産業などの見学を行いました。
4団は和歌山到着後、漆器蒔絵絵付に挑戦しました。簡単そうにみえるものがたいへんな細かさと繊細さを要求することに気づき、みな息を凝らして絵付けをしました。

漆器蒔絵絵付けに挑戦
ホームステイ対面式で、団員全員が期待と不安で表情がこわばっていましたが、対面式を終え、少し懇談をするとホストファミリーの皆様の温かさにふれ、和やかな雰囲気のもと、各家庭へと向いました。
1泊2日という短い期間でしたが、ホームステイを終えた団員からは「すごく親切だった」「韓国のことをよく知っていた」「何をしたいか、何を食べたいか、絶えず気遣ってくださった」との感想が聞かれました。
またホストファミリーの方からも「たいへんいい子で、そのような生徒さんがいる学校を訪問してみたい」「事前に考えていたより日本語が上手で、一生懸命に勉強した様子が窺えた」という感想をいただきました。
　
ホームステイ対面式
5日目の学校訪問では、3団は鹿児島第一高校、4団は和歌山県立田辺高校を訪問しました。
鹿児島第一高校では、全校生徒による歓迎行事の後、2時間の授業を体験しました。一つ目は音楽の授業で「世界に一つだけの花」を、ホームステイでお世話になった鹿児島第一高校の生徒に歌詞を教わりながら、日韓の生徒が一緒に合唱練習をしました。

歌詞の意味を教わりながら歌の練習をした（第3団、鹿児島第一高校）
二つ目は体育「空手」の授業です。まず、空手とはどんなものかを空手部員が実演すると、その迫真の動きに団員は釘付けとなりました。それもそのはず、実はみなさん県大会チャンピオンに輝いた、そうそうたる選手でした。続いて団員も実際に型を習いました。さすがにテコンドー経験者は何とか様になっていましたが、ほとんどの団員が思うように体がついていかないもどかしさを感じていました。それでも全員が掛け声だけは気合いっぱいに張り上げ、爽やかな汗を流しました。

空手の型を習う団員（第3団）
田辺高校では中学校および高校の全校生徒に迎えられ、盛大な歓迎式を開いてくださいました。吹奏楽部による演奏で入場し、日本の少林寺拳法部による演舞、剣道部による剣道形を見せていただき、団員は、その迫力や目つきのするどさに圧倒されました。韓国側からはアリラン合唱と、ギター演奏を披露し、盛大な歓声と拍手をいただきました。

田辺高校歓迎式（第４団）
また、体験授業ではそれぞれ体育や英語などさまざまな授業に入り、日本の授業を体験し、田辺高校の生徒さんとともに積極的に授業に参加しました。さらにクラブ活動を見学し、一部の団員はバスケットボールなどで田辺高校の生徒さんと一緒に汗を流しました。団員たちは、そのような見学、交流の時間を通じて、たいへん楽しい、一生の思い出に残る経験をしたと、口々に話しておりました。

バスケットボールで汗を流す（第4団、田辺高校）
6日目は、3団は草木染体験を、4団はみかんジャムとジュースを作りました。
3団の団員らは訪れた奄美の里で、ソテツやヤシなど南国の雰囲気があふれる奄美地方の庭園を観賞しました。大島紬の染色技法の一つである草木染にも挑戦し、素朴な出来でしたが思い思いにハンカチを染めながら楽しみました。
みかんジャムは簡単においしく作ることができ、できあがった手作りジャムはそのまま家族へのお土産としました。韓国のユズ茶と似ていると口々に話し、あまりのおいしさに、たくさんもってかえりたがる団員もいました。一方、ジュース作りは思ったよりも力が必要で、男子が積極的にがんばりました。
研修を終え、団員からは「一般の旅行ではできない学校訪問やホームステイがあってよかった」「日本の伝統文化や政治、歴史、外交関係などについてもっと知りたくなった」「韓国人に対してたいへん好意的であることがわかった」などの感想が聞かれました。
＜日程＞
10月28日（木）
成田空港到着、東京タワー見学、訪日研修オリエンテーション
29日（金）
外務省表敬訪問、歓迎昼食会
東京都内見学（日本科学未来館、東京みなと館）
30日（土）
施設見学・体験学習（第3団：防災教育体験、第4団：漆器蒔絵体験）
地方へ移動（第3団：鹿児島県、第4団：和歌山県）
31日（日）
ホストファミリーと対面式、ホームステイ（1泊2日）
11月1日（月）
学校訪問（第３団：鹿児島第一高校、第4団：和歌山県立田辺高校）
2日（火）
施設見学・体験学習（第3団：草木染体験、大島紬製作見学、福岡へ移動、第4団：みかんジャム・ジュース作り体験、和歌山城見学）
3日（水）
福岡空港（第3団）、関西国際空港（第4団）よりそれぞれ帰国