【キズナ】韓国高校生訪日研修団(第3・4団、2012.11.6~11.12)

11月6日から11月12日までの6泊7日の日程で、韓国高校生訪日研修団(第3・4団)計100名が来日し、研修を行いました。
(第3団団長:朴龍南(パク・ヨンナム)中山高等学校教頭、第4団団長:文永澤(ムン・ヨンテク)済州特別自治道教育庁奨学官)

本研修は、外務省の「アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)」の一環として行われ、被災地(茨城県潮来市)を訪問し、東日本大震災からの復興の様子や現況を視察しました。[@pause]

一行は2日目、東日本大震災被災地への訪問に先立ち、東日本大震災の被災状況と復興の概要について、明治大学危機管理研究センターの野上達也研究推進員より講義を受けました。講義後に団員から、「津波対策としてどのようなことが施されているか」、「震災によって自宅をなくした人たちはどのように生活しているのか」、「震災で発生したたくさんのがれきをどのように処理しているのか」などの質問が出されました。


東日本大震災について講義を受ける

その後、一行は茨城県潮来市へ移動し、市の被害・復興状況の講義を受け、被災状況の視察を行いました。
被災された方を代表し、水郷潮来観光協会の高塚会長より、被災時の様子や復興に向けた取り組みをうかがいました。最悪の事態を想定した危機管理を行うことの重要性、自分の得意分野で人の役に立つこと、どんなことがあっても笑顔で乗り越えることなど、そして市民の方々がこの1年半、復興に向けて懸命に努力されたエピソードは、震災復興のみならず人生の心構えにも通じると、一行も聞き入っていました。


高塚会長ら関係者に御礼を述べる団員

翌日には液状化被害地やがれきのストックヤードを見学し、復興支援品「カラフルあやめ」の制作活動を行いました。水郷潮来といえばあやめで有名ですが、今後も潮来市の方々との絆を深め、応援する気持ちを持つべく、梱包用PPバンドであやめを制作する体験をしました。被災地でのプログラムを終えた一行は「被災地の方を励ますつもりが、逆に元気をもらった気がする」「少し難しかったが、心をこめてあやめを作り上げた」「韓国に帰ったらあやめで有名な潮来の話をしたい」と語っていました。


市商工会女性部の方々からの手ほどきを受け、あやめを制作する団員

午後は都内に戻り、外務省にて被災地での活動報告を行いました。
4日目は都内で高校を訪問し、授業の体験や生徒との交流を行いました。

第3団が訪問した都立小平高等学校では、数名ずつ各クラスに分かれて2コマの授業に参加したり、お昼も一緒に弁当を食べ交流を深めました。
特に両国生徒の交流会では、それぞれの学校生活が紹介され、一行から韓国での午後10時頃まで学校で勉強する様子や先生の日にプレゼントを贈る習慣があるなど、珍しい高校生活に会場からは驚きの声が上がりました。
学校訪問後は神奈川県川崎市と愛媛県に分かれ、それぞれでホームステイを行いました。


昼食交流の様子(小平高校)

第4団が訪問した都立小岩高等学校では、歓迎セレモニーの後、授業体験が行われ、体育や家庭科、情報、美術などの科目の授業に参加し、日本側生徒たちと交わりました。家庭科の授業では、調理実習が行われ、野菜の切り方や調理の仕方など互いに教えあいながら、料理をつくっている様子も見られました。
その後の交流会では、日本側の生徒からけん玉や折り紙を教わったほか、韓国側の生徒からは、アリランの合唱やダンスの出し物が披露され、大変盛り上がりました。
学校訪問の翌日は関西地方に移動し、ホームステイを行いました。


材料の準備から互いに協力して調理(小岩高校)


日本側生徒に鶴の折り方を教わる(小岩高校)

研修を終えた一行からは、
「1年以上経っているとはいえ、被害の大きさの割には復興のスピードが速く、日本人の努力を感じた」「実際に被災地を見て実態を知ると、マスコミではやや過剰気味に伝えられている気がした」「被災地を訪れて、災害への備えがしっかりしている点と復旧の速さに驚いた」「被災地の人々の自分たちのふるさとを自分たちでしっかり守っていくという姿勢に感銘を受けた」などの感想が語られました。


<日程>

11月6日(火)
成田国際空港着、訪日研修オリエンテーション
7日(水)
講義、歓迎昼食会、被災地(茨城県潮来市)へ移動、講義、地元同世代生徒との交流会
8日(木)
被災地視察、復興支援品「カラフルあやめ」制作、外務省訪問、文化体験(茶道)
9日(金)
学校訪問(第3団:東京都立小平高等学校、第4団:東京都立小岩高等学校)
10日(土)
ホームステイ対面式(第3団:神奈川県川崎市、愛媛県松山市、第4団:大阪市)
11日(日)
ホームステイ終了、文化体験(和太鼓)、各団全体報告会
12日(月)
関西国際空港より帰国