【JENESYS2.0】長野県高校生訪韓研修団(2013.11.17~11.23)

11月17日から11月23日までの6泊7日、長野県の高校生ら50名による訪韓研修を実施しました。本事業は「JENESYS2.0」の一環として実施され、一行は韓国の高等学校訪問や文化体験・視察のほか、日系企業の訪問などを通じて、韓国の文化・社会に対する理解を深めました。
(団長:三浦章 長野県教育委員会教学指導課高校教育指導係長)
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※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
11月17日(日)

長野県出発、羽田空港発、金浦国際空港着
18日(月)
オドゥサン統一展望台見学、企業訪問(Epson Korea)、韓国国立国際教育院訪問
19日(火)
体験学習(韓国伝統衣装・礼儀作法、テコンドー)、韓国民俗村、水原華城見学(現地、梅香女子情報高等学校生徒との合同見学・夕食交流会)
20日(水)
企業訪問(TAKATA KOREA)、キムチ作り体験(工場見学)、在大韓民国日本国大使館訪問
21日(木)
眞乾高等学校訪問、ホームステイ対面式
22日(金)
ホームステイ終了、サムルノリ(チャンゴ)体験、景福宮見学、ショッピングセンター視察
23日(土)
金浦国際空港発、羽田空港着、長野県帰着

オドゥサン統一展望台の訪問から訪韓日程をスタートさせた一行は、分断の歴史についての説明を受け、対岸にある北朝鮮を見ながら自由に往来のできない現実を目の当りにしました。
次に向かったのは地元・長野県にゆかりのあるエプソンの韓国法人Epson Koreaでした。会社紹介・見学に加え、長野県出身の社長よりどのような経緯をたどって現在に至ったのかというご自身の体験談や団員に対し高校生活を送る上でのアドバイスもお話しいただきました。

3日目は、韓国伝統衣装試着・礼儀作法体験とテコンドー体験に分かれて文化体験を行いました。韓服体験では「日本の着物より軽くて着やすく、直に触れられたことが印象的だった」、テコンドーでは「空手と似ていて親しみやすかった」との感想を述べていました。

水原華城では、地元の梅香女子情報高等学校の生徒らと華城行宮を合同で見学したり、夕食を共にしながら交流しました。夕方の冷え込む時間帯でしたが、両国の生徒らは厳しい寒さにも負けずに貴重な触れ合いの時間を過ごしていました。

4日目は企業訪問の第二弾として華城市にあるTAKATA KOREAの見学・訪問を行いました。「交通事故による犠牲者がゼロになる日」を目指し、各種の自動車安全システムの開発・生産に取り組む同社の説明を受け、工場ではマネキンを使ったシートベルトの耐久実験も見学しました。
ソウルへ戻った一行は駐大韓民国日本国大使館公報文化院を訪問しました。山後副院長からの挨拶に続き、偶然にも長野県出身の若手外交官の紹介があり、大使館での業務内容や外交官になるために必要な能力など、団員たちからのさまざまな質問に応じていただきました。団員らは「自分の住む地域から世界で活躍する方の姿を見ることができた」と立派な先輩の存在に感激していました。

5日目は京畿道南楊州市にある眞乾高等学校を訪問し、学校での授業体験や交流、ホームステイを行いました。学校ではホームステイを引き受けた韓国生徒が交流パートナーとなり、学校訪問時のお手伝いをしてくれました。体育の剣道やドッジボール、家庭科ではキムパプ(海苔巻き)作りなど、パートナーの生徒と一緒に授業を体験しました。

交流会では訪問校の生徒やホストファミリーに向けて団員が長野県の紹介を行いました。グループ別に有名な温泉地や名産品、郷土料理からご当地のゆるキャラまで同県の魅力と学校行事や生活の様子まで日本の高校生の日常生活を紹介しました。韓国生徒らは韓国でも人気のあるプリクラやアーティストが紹介されると同世代の話題に共感し、「今度日本に行ったら、長野県を訪れて温泉やおいしい料理を楽しみたい」と歓声を挙げていました。
学校訪問後は翌朝まで、訪問校生徒宅での1泊のホームステイに向いました。
ホームステイ後の歓送式では、日本側から「日本より韓国の家庭が明るい雰囲気だった」「ホームステイで終わりではなく、今後もメールなどで交流を続けていきたい」、韓国側からは「何かもらう時に謙虚な姿勢が印象的だった」「(受け入れた日本の生徒が)楽しく過ごせてホテルよりゆっくり休めたと言ってもらえてうれしかった」との感想が述べられました。

全日程の研修を終えた団員からは、「日韓関係は現在よくないと取りざたされているが、実際にはとてもよく歓迎してくれた」「韓国の大人と交流するのは初めてで緊張したが、ホームステイで温かく迎えてくれてとても楽しく過ごせた」「単語やゼスチャーだけでも何とかなるものだとわかり、言葉の壁の低さを感じた」「研修を通して日本の良さを再認識できた」
との感想が語られました。また、「研修の中で外交官から聞いたことや、韓国人学生が日本のことをよく知っていて驚いたこと」「メディアだけの情報にとらわれずに自分の目で韓国を見て知ってほしい」「韓国の人たちの考え方や文化」といったことを帰国後に伝えていきたいとの声も寄せられました。