韓国ジャパンリポーター訪日団(第 1 団)レポート

 2024年7月9日から9日間の日程で、在韓日本大使館が選抜した大学生・社会人のインフルエンサーと韓国内大手日刊紙「朝鮮日報」の若手記者等で構成された「韓国ジャパンリポーター訪日団」を実施しました。本団の目的は、韓国にまだ知られていない日本の魅力、また日韓共通の課題でもある地域活性化対策等について、それらをSNS等で紹介してもらうことです。

 初日の外務省表敬と最近の日韓関係についての講義を経て、2日目は終日、大学生訪韓団同窓組織JKAFのメンバーと交流しました。この日はまず埼玉県日高市にある高麗神社を訪れ、茅の輪くぐり体験や境内の視察後、第60代宮司から高麗神社の歴史等についてお話を伺いました。午後は東京都内に戻り、新大久保へ。一行は日本での韓流ブームを実感するとともに、故李秀賢さん*の顕彰碑を訪れ、故人を偲びました。

*李秀賢(イ・スヒョン)さんについては当基金のウェブサイトでもご紹介しています。
https://www.jkcf.or.jp/report/2020/06/03/20431/

 3日目からは宮城県に移動。宮城県庁の表敬では観光PR担当課長キャラクターのむすび丸がサプライズでお出迎え。県庁では宮城県の東日本大震災からの復興と伝承についての講義を聴きました。
翌日からは石巻専修大学の学生との交流や東日本大震災の被災と復興の様子を学ぶプログラムを体験した後、南三陸町と登米市で2泊3日のホームステイが始まりました。

(2024.10.3追加)
在大韓民国日本国大使館 公報文化院のInstagramで、団員が制作した石巻市訪問時の動画がアップされています。

https://www.instagram.com/p/DAnGYYXuoqz//


 ステイ先で団員たちは実に様々な体験をしました。首都圏から移住し、築135年の古民家を3年かけて改築した若夫婦のお宅では藍染体験のほか、隣接している清流で初めてホタルを見たと感動。かつて献上米も生産した由緒ある米農家のお宅では家庭菜園でナスを収穫。シンガポールにも輸出するというトマト農家でいただいたトマトがこれまでで一番甘くて美味しかったと感激した団員の本業はシェフで、お礼として家族に韓国料理を振る舞いました。この他、お惣菜屋を営む家庭で朝からお弁当作りのお手伝いをした、岩手県の平泉まで出かけた等、たくさんの楽しい思い出ができたようです。


7日目はホームステイを終え、一行は宮城から大阪へ移動。ホームステイ解散式ではあちらこちらで涙が見られ、中には南三陸からわざわざ仙台空港まで見送りに来てくださったご家族もいました。

 大阪では東部にある布施商店街の「まちごとホテル」というユニークな取り組みを視察しました。
 「まちごとホテル」とは、商店街全体を一つのホテルに見立て、客室は改修した空き店舗、食事は地元の常連が通うお店、そして銭湯を大浴場として利用し、昼間はホテルと提携している各店舗を巡りながら地元の方々と交流して新たな魅力を発見していく新たな観光のスタイルであり、地域活性化にもつながる取り組みです。
 この取り組みで日経MJ賞も受賞し、数々のメディアで取り上げられているSEKAI HOTEL株式会社のプロジェクトマネージャー兼広報担当の方から概要等についてご講義いただいた後、布施商店街にあるSEKAI HOTEL Fuseに実際に宿泊しつつ、「まちごとホテル」を体験しました。

 8日目はSEKAI HOTEL Fuseを起点に、団員たちは提携している布施商店街の各店舗を巡りながら取材しました。朝食は地元の常連さんで賑わう喫茶店のモーニングを食べ、その後はお惣菜屋さんや和菓子屋さん、創業100年以上のパン屋さん等でお勧めの品を取材したり、商店街の利用客にインタビューしたり、食べ物以外にも「お勧めの衣食住」というテーマで取材したりする等、団員たちはみな精力的に活動していました。

(2024.10.1追加)
在大韓民国日本国大使館 公報文化院のInstagramで、団員が制作した布施商店街の紹介動画がアップされています。

https://www.instagram.com/p/DAkiBBCoyiF/

 帰国前の成果報告会では、「初めて訪れる場所、初めて知る取り組みばかりで新鮮だった。SNSに掲載する話題としても興味深い内容ばかりで良い経験となった」「東京では若者たちと、石巻では地元の大学生と、ホームステイでは日本の一般家庭の方と、そして大阪では地元商店街の方々という風に、様々な地域や年齢層の方々との交流を通じて日本人の考え方や習慣、文化に触れることが出来、たくさんのことを学んだ」等の感想が聞かれました。

韓国クールジャパンリポーター訪日団(第1団) 日程表(2024.7.8 掲載)

報道実績
2泊3日で家族になった…「また来てけさいん」「今度は絶対韓国で会おう」 韓国人大学生が宮城県南三陸町でホームステイ
(副団長として参加された韓国の新聞社「朝鮮日報」記者のキム・フィウォンさん執筆の記事が、8月14日の同社ウェブ日本語版に掲載されました)
*この記事の原文(韓国語サイト)はこちらでご覧になれます。

韓国の若者たち、被災地・石巻巡る SNSで発信 街の魅力や課題探り交流(河北新報オンライン 2024年7月13日付)
*紙面版「石巻かほく」(2024年7月13日付)の1面にも掲載されています。

「インフルエンサー 歴史学ぶ 日高・高麗神社 日韓文化交流事業で」(埼玉新聞 2024年7月14日付)

報告書(日程、写真、参加者や関係者等の感想、参加者によるSNSでの情報発信の実績などを掲載しています) 日本語版(일본어판)  한국어판(韓国語版)