日韓青少年共同ボランティア活動事業訪日プログラム(2012.2.11~2.17)
2月11日から2月17日までの6泊7日の日程で、日韓青少年共同ボランティア活動事業訪日プログラムの研修団35名が来日し、研修を行いました。
[@pause](引率:朴映姫(パク・ヨンヒ)社団法人韓国青少年聯合総務部長、金デレサ同広報チーム長)
本研修は、「21世紀東アジア青少年大交流計画」(JENESYS Programme)の一環として、2009年度より始まり、毎年、日韓両国の共通課題をテーマとし、実施しています。両国青少年を招聘・派遣し、現地でのボランティア活動等を通して現状を把握し、討論会などにより、解決策を話し合いながら、両国の理解と交流の増進に寄与することを目的としています。
今年度のテーマは「防災」で、訪日プログラムでは、訪韓プログラムに参加する日本側団員も一緒にボランティア活動や討論会などを行いました。
研修2日目には、NPO法人国際ボランティア学生協会(IVUSA)危機対応研究所の宮崎猛志所長によるセミナーが行われ、日本で起こりうる災害とその被害、災害ボランティア活動について学びました。
日本の災害の種類と対策について学ぶ
3日目の午前には訪韓プログラムに参加する日本側団員等11名と一緒に外務省を表敬しました。新美潤アジア大洋州局参事官の挨拶のあと、東国大学校3年の全美政さんが代表挨拶を行い、全ての日程に情熱をもち、誠実に取り組みたい、と研修への意気込みを語りました。その後の質疑応答の時間では、団員がJENESYSプログラムの評価や、今後の日韓交流プログラムの計画、日本の失業率や就職難について質問をすると、新美参事官や外務省職員から青少年交流の重要性や、日本の就職難に対する考えが述べられました。
午後には和歌山県新宮市に移動し、日本側の団員等全35名と合流し、翌日のボランティア活動に備えました。
団員からは、外務省表敬が印象深かった、という感想も多かった
4日目には本プログラムのメインともなる、三重県熊野市大泊町大泊海水浴場でのボランティア活動が行われました。台風12号により、海水浴場に流れてきた大木や木の枝、ゴミなどによる二次災害を防ぐため、両国の団員が混成グループを作り、流木撤去作業、海水浴場の清掃を行いました。作業開始前、熊野レストレーション事務局の端無(はなし)徹也さんより、台風12号による海岸への被害が大きく、大変困っていたこと、この度のボランティア活動が大変ありがたい、といったことが話され、団員も気合を入れ直しました。
活動中は、全員終始笑顔で、英語や多少の韓国語、ジェスチャーを交えてコミュニケーションをとりながら「ファイティン(日本語で「ファイト」の意味)」「頑張ろう」など、お互いに声を掛け合いながら作業をすすめ、作業終了時には、海岸に打ち上げられていた流木はほとんど片付き、目立った流木、ゴミは全てなくなりました。
両国団員が協力して流木を集積場に運んだ
ボランティア活動後には、「若者がボランティアをするやりがいや理由」というテーマでディスカッションを行いました。韓国側団員からは、東日本大震災に対する韓国国内の関心が高いことが述べられ、日韓団員同士で防災の重要性や、日韓の大学におけるボランティア活動の比重の大きさの違いなどについて話し合いました。
各団員、それぞれの考えを積極的に述べ合った
5日目の朝、日本側団員が見送るなか、韓国側団員は兵庫県神戸市に移動しました。神戸市では北野異人館の見学をしたり、夕食には明石焼体験をしたりしました。
帰国前日の6日目は、神戸市にある「人と防災未来センター」を訪問し、語り部による震災時の体験談を聞き、団員からは「韓国ではこうした大きな地震はなかったので被災された方をみると胸が痛くなり多くのことを考えさせられた」、「災害の状況の深刻さがわかった」といった声が聞かれました。
今回の研修を終え、団員達からは
「今回研修は、ボランティア活動を通じて日本の文化や若者の考え方、災害の考え方を知る良い機会になった。日韓学生のディスカッションを通じて親しくなれ、密度の濃い交流ができた。」
「ボランティア活動は実際雨が降って大変だったが、声をかけあいながらやったので親しくなれた。また、海岸がきれいになり、やりがいがあった。」
「災害については世界の問題であり、特に日韓両国は災害について共同の対策を作る必要がある。そのためにも若者が先頭に立ってやらなくてはならないと思う。」
といった感想が述べられました。
<日程>
2月11日(土)
成田国際空港着、オリエンテーション
12日(日)
セミナー、歓迎昼食会、浅草見学、江戸東京博物館見学
13日(月)
外務省表敬、和歌山県新宮市へ移動、日韓団員顔合わせ
14日(火)
三重県熊野市大泊町大泊海水浴場にてボランティア活動、ディスカッション
15日(水)
兵庫県神戸市へ移動、北野異人館見学
16(木)
人と防災未来センター見学、神戸市内見学、感想報告会
17日(金)
関西国際空港より出国