韓国大学生訪日研修団(韓国外交通商部派遣)(2008.11.11-20)

韓国外交通商部が全国から選抜した大学生30名(引率含む)が、11月11日から20日までの9泊10日間の日程で、東京・大阪・大津・金沢・飛騨白川郷で研修を行いました。
(団長: 章載亮(韓国外交通商部)、引率:権希映(韓国国際交流財団))
一行は、日本の文化や産業に触れ、また交流を通じて日本社会全般に対し知見を深める一方、六本木ヒルズやすみだ環境ふれあい館等の見学により災害や環境問題に対する日本の取り組みについて学びました。


○新しい友人との出会い(外務省主催歓迎夕食会、大学訪問)
外務省主催歓迎夕食会および慶應義塾大学や大阪大学訪問中の交流会において、たくさんの日本大学生が参加し積極的な交流がなされました。
日本大学生訪韓研修団団員との交流(外務省主催歓迎夕食会)

ある団員は政治・ドラマ・就職というように多岐に渡る議論を展開してもなお、「もっとたくさん話したかった。大学生との交流を通じて変化のない学生生活のいい刺激となった」と名残惜しそうにしていました。また、日本において韓国語が堪能な人が多いこと、韓国に対する関心の高さにたいへん驚いていました。
熱が入った日本大学生との議論(慶應義塾大学)

○訪問学習と多様な体験学習
六本木ヒルズ、すみだ環境ふれあい館・本所防災センター等を訪問し、都市における災害への取り組みを学習し、企業や市民ひとりひとりの関心と取り組みが環境対策に生かされる実態にふれました。
都市における環境対策学習(六本木ヒルズ屋上庭園)

一方、日本伝統工芸や農業を体験するプログラムとしてさまざまなものを実際に作る時間を持ちました。また、飛騨白川郷におけるガイドウォークを通じて森と人の昔からの共存関係を理解し、豪雪地帯の生活や昔の人の知恵を学び、自然への感謝を改めて感じられる時間となりました。
暮らしの知恵を学ぶガイドウォーク(白川郷)

ある団員は、「はじめは体験学習に消極的でしたが、職人意識、町工場や特産物維持のための努力等のお話にふれ、日本の底力を感じ、日本に学ぶ点が多いことを実感した」そうです。
初めてのそば打ち体験

○大津市訪問
大津市のご家庭に2泊3日間ホームステイを行い、その温かさに触れ、忘れ難い時間を過ごしました。また町の中にある文化遺産を見学するとともに、伝統と歴史が深い精進文化体験としてゆばづくりを体験しました。
団員たちは「日本の家族たちのそれぞれのこだわり、趣味の多様さに驚き、そういう意識が日本の成長を支えている」と述べるとともに、地方都市の持つ文化資産や底力の大きさに感嘆していました。
期待でいっぱいのホストファミリーとの対面式

慎重さが要求されるゆばづくり

○研修を終えて
研修に参加した団員たちから次のようなうれしい声が寄せられました。
「自分は日本語もでき日本人の友人もいるので日本についてある程度知っているという自負心があったものの、今回の研修を通じてまだまだ知らない部分があることに気づかされた。また、そういった考え方など自分自身の視野を広げるという自分の成長にもつながった。」
「研修中、想像していた以上のものに触れ、新しいものを発見し、それによって以前から知っているものが新しく異なって見えるようになった。」
<日程>
11月11日(火)
羽田空港到着
江戸東京博物館見学、訪日研修オリエンテーション、外務省主催歓迎夕食会
12日(水)
講義、慶應義塾大学訪問
13日(木)
駐日大韓民国大使館表敬訪問、都内視察(浅草寺・六本木ヒルズ)
14日(金)
都内視察(すみだ環境ふれあい館・本所防災センター)、伝統工芸体験(屏風作り)
15日(土)
大津へ移動(新幹線利用)
精進文化体験学習(ゆばづくり)、三井寺見学、ホストファミリーとの対面式
16日(日)
ホームステイ(大津)
17日(月)
石山寺見学、大阪大学訪問
18日(火)
農業体験(そば打ち)、兼六園・金沢城見学
19日(水)
飛騨白川郷にて荻町城跡・民家園見学、自然体験(森と村の共存学習ハイク)
20日(木)
中部国際空港より帰国