韓国教員訪日研修団(第3・4団、2009.6.2-11)

6月2日から6月11日までの9泊10日の日程で韓国教員訪日研修団(第3団:初等学校(小学校)教員、第4団:中・高等学校教員)計39名が来日し、研修を行いました。
(第3団団長:鄭鎭浩 象山高等学校教頭、第4団団長:孔演錫 大一外国語高等学校教頭)


一行は東京で研修をスタートし、江戸東京博物館で江戸から東京への歴史の流れと、朝鮮通信使などについて学びました。また、東京学芸大学の坂井俊樹教授から日本の教育概要に関する講義を受けました。
第3団は、東京都教育庁で東京都の特別支援教育についてレクチャーを受けました。そして、普通学級で学んでいるLD児やADHD児に関する質疑が活発に行われました。
また、NPO法人東京シューレを訪問し、日本における不登校問題の背景の変遷、フリースクールおよびオルタナティブスクールの現状について学びました。
第3団 不登校児の心理状況やオルタナティブスクールについて講義を受ける(東京シューレ)

第4団は、東京都立美原高等学校を訪問し、授業参観をして学校の明るい雰囲気と活発な生徒のみなさんから元気をもらいました。また、生徒会役員との交流、各分野の先生方との意見交換が活発に行われ、さらに生徒有志による茶道と琴の演奏のもてなしを受け、日本文化や伝統文化教育に触れることができました。
第4団 茶道体験(美原高等学校)

その後、第3団と第4団が合同で横浜市教育委員会を訪問し、横浜市の特別支援教育の現状について各専門家から詳細な説明を受け、第3団が訪問した東京や韓国などとの比較を通じた情報交換ができました。
研修の中盤で、第3団は(財)新潟市国際交流協会のご協力のもと新潟県新潟市で、第4団は(財)会津若松市国際交流協会のご協力のもと福島県会津若松市で、ホームステイと学校訪問などを行いました。
第3団が訪れた新潟市立東曽野木小学校では日本の初等教育と新潟市における独自の取り組みについて活発な質疑応答がなされました。また、団員は1年生から6年生までの各クラスに分かれ、児童のみなさんと共に日本の給食を味わいました。
第4団が訪れた会津若松市立第二中学校では、日本の中等教育全般と、「会津の子」育成という地域教育などについて学びました。
第3団:懇談会(東曽野木小学校)

日本の家庭で過ごした2泊3日間について、
「身振り手振りを交えながら韓国と日本について話し合うことができてよかった」
「私を迎えるために家族全員で韓国語を勉強して準備してくださり、感動した」
などの感想が出ました。
第4団 ホームステイ先の家族とともに

研修に参加した団員からは、
「これまで漠然とした反日感情を持っていた。そのため知らず知らずのうちに子どもたちにも日本に対する否定的な考え方を植えつけていた。しかし、今回の研修を通じて、日本を改めて理解し、日本からたくさんのことを学ばなければならないと思うようになった」
「今回の研修で、詳しくは知らなかった日本について深く理解することができよかった」
「日本の教育の良いところを発見できるよい機会になった」
という声が集まりました。
<日程>
6月2日(火)
 成田国際空港着、江戸東京博物館見学
3日(水)
 訪日研修オリエンテーション、講義、歓迎昼食会、六本木ヒルズ(建築概要コース)見学
4日(木)
 学校訪問(第3団:東京都教育庁・国立国際こども図書館・東京シューレ、第4団:東京都立美原高等学校)
5日(金)
 横浜市教育委員会訪問
6日(土)
 地方へ移動(第3団:新潟県新潟市、第4団:福島県会津若松市)、ホームステイ対面式
7日(日)
 ホームステイ
8日(月)
 学校訪問(第3団:新潟市立東曽野木小学校、第2団:会津若松市立第ニ中学校)
 東京へ移動
9日(火)
 視察(小田原城・箱根・大涌谷)
10日(水)
 教育施設見学(国立科学博物館・東京国立博物館)
 感想報告会
11日(木)
 成田国際空港より出国