日韓青少年共同ボランティア活動事業(訪韓プログラム)(2010.03.23-29)

3月上旬に実施された訪日プログラムに続き、3月23日から29日までの6泊7日の日程で訪韓プログラムの一行26名が韓国を訪問しました。
(団長:福嶌義宏 鳥取環境大学環境情報学部・環境マネジメント学科教授、団員:日本の大学生23名、引率:2名)


一行は韓国到着後すぐ、外交通商部にて柳明桓長官を表敬訪問しました。柳長官からはご自身が学生時代に日本を訪問した際の感想や、日韓関係の重要性と未来志向の両国関係構築のために相互に理解し尊敬する姿勢を持つことが肝要である旨挨拶がありました。また、団員からの「外交官になるための秘訣」から「お薦めの韓国料理」までバラエティに富んだ質問に対しても快く答えていただきました。

柳明桓長官と重家俊範駐韓日本国大使を囲む日本学生
この後、このプログラムで一緒に活動する韓国側学生と対面し、交流会では互いに待ち侘びていたかの如く積極的に会話を交わす光景がみられました。
その後、日韓の大学生らは浦項市へ移動し、市の環境政策のレクチャーを受けました。続く質疑応答では、浦項市における環境への取り組みや、お金をかけない環境政策に関する両国大学生からの質問に、朴承浩市長自ら「市庁舎での温暖化対策としての冷暖房節約」「生ゴミ削減キャンペーン」などの例を紹介いただく場面もありました。

浦項市の環境政策について質問する日本側学生
浦項滞在2日目は、浦項でのメインプログラムである「環境セミナー」が開かれ、両国の学生代表による環境問題に関するプレゼンテーションと討論が行われました。
日本側からは大学と地域が連携した環境保全・啓蒙活動や、「フェアトレード運動」から見た地球環境保護への貢献などについて発表が行われました。一方、韓国側からは世界共通の課題である環境問題に対する、各国の協力の重要性について発表がなされ、それぞれの発表に対して多くの意見が交わされました。学生たちは限られた時間では十分に議論し尽くせなかったようで、今後もインターネット上のSNSなどを通じ、コミュニケーションを継続していくことを約束しました。
翌3日目に行われた海岸清掃活動では、九龍浦の防波堤にて両国学生が共同でゴミを拾いました。折からの強風で側溝に落ちたゴミが多く、また汚泥と格闘しながらの回収となりましたが、参加学生からは「一時的な活動で終わらせず、帰国後も環境問題にかかわっていきたい」「自分自身はもちろんのこと、周りの人たちにも関心を持ってもらえるようにしたい」などと、前向きな発言が多く聞かれました。

海からの強風に耐えながら、ゴミ拾いをする両国の大学生
その後、一行は日本式家屋が残る九龍浦の旧日本人居住区や、新羅の古都として知られる慶州を見学し、再びソウルで過ごした後、一週間の研修を終え帰国の途に着きました。今回は全日程において、日韓の学生が寝食を共にしたこともあり、参加学生からは「環境というテーマのみならず、韓国の同世代の考え方をたくさん知るよい機会になった」という感想が多く聞かれました。この他にも「韓国学生のみならず日本の学生とも交流ができて、今後の学生生活において良い刺激となった」「またこのような機会があれば是非参加したい」などの感想が述べられました。
<日程>
3月23日(火)
金浦空港着、訪韓研修オリエンテーション、外交通商部・柳明桓長官表敬訪問、歓迎夕食会
24日(水)
浦項へ移動、浦項市庁訪問(市政概要説明、環境政策紹介)、歓迎夕食会
25日(木)
posco、環境学校見学、日韓環境セミナー
26日(金)
九龍浦海岸清掃活動、旧日本人居住区、浦項知能ロボット研究所、虎尾岬見学
27日(土)
慶州へ移動、仏国寺、天馬塚見学、ソウルへ移動
28日(日)
ソウル市内グループ別見学、歓送夕食会
29日(月)
金浦空港より帰国