日韓青少年共同ボランティア活動事業訪日プログラム(2011.2.20~26)

2月20日から2月26日まで6泊7日の日程で日韓青少年共同ボランティア活動事業訪日プログラムの研修団30名が来日し、研修を行いました。
(団長:金宗海(キム・ジョンヘ) カトリック大学校社会福祉学科教授)
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今回の研修は、「21世紀東アジア青少年大交流計画」(JENESYS Programme)の一環として、「高齢者福祉」をキーワードに、日韓両国の学生による共同のボランティア体験などを盛り込んだプログラムへの参加を通じ、両国の理解と交流の増進に寄与することを目的として実施されました。
研修は訪日・訪韓プログラムで構成されおり、訪日プログラムでは、訪韓プログラムに参加する一部の日本人学生も訪日プログラム団員と一緒に、ボランティア活動や共同報告会などを行いました。
研修2日目には、今回の事業実施にあたってご協力頂いた法政大学宮城孝教授による講義が行われ、団員は日本の高齢者福祉の現状と課題について学びました。その後の外務省の表敬訪問では菊田真紀子外務大臣政務官が訪日団を歓迎して下さいました。
菊田真紀子外務大臣政務官を囲んで記念撮影
菊田真紀子外務大臣政務官を囲んで記念撮影
3日目には、今回の事業を一緒に行う日本人大学生と交流を深めるためレクリエーションの時間を持ちました。お互いの名前を覚えるゲームや、日韓の単語合わせゲームを行い絆を深めました。午後には、日本の学生と訪日プログラムの団員共に、日本社会事業大学を訪問しました。大学では、特別な器具を使ったシニアシュミレーション体験を行い、団員からは「高齢者の視点に立って考えるきっかけになった」といった感想が出ていました。
お互いに自己紹介し、名前を覚えている様子
お互いに自己紹介し、名前を覚えている様子
日本社会事業大学でシニアシュミレーション体験を行う団員
日本社会事業大学でシニアシュミレーション体験を行う団員
4日目には本プログラムのメインともなる、社会福祉法人サンフレンズでのボランティア活動が行われました。ボランティア活動では、韓紙を使った小物入れを利用者の方と一緒に作りました。最初は戸惑っていた団員も、工作を通して、高齢者の方と一緒に楽しい時間を過ごしていました。
このほかにも、訪日団員が利用者の方に韓国語の挨拶を紹介したり、また利用者の方から団員に「日本に来た印象は?」という質問や、団員から利用者の方に「健康の秘訣は何か?」という質疑応答する時間も持ちました。訪問を終えて団員からは「今回は、高齢者の方から自分たちが元気を頂いた」「利用者の方の手を拭いてあげたらとても喜んでくださり自分も嬉しくなった」との感想がありました。
高齢者の方と一緒に韓紙工芸を行う団員
高齢者の方と一緒に韓紙工芸を行う団員
韓国語の挨拶を教える団員
韓国語の挨拶を教える団員
5日目の午前には、江戸川区役所を訪問し、江戸川区の高齢者福祉政策について講義を受けました。講義を通じて、高齢者の方が生きがいを持って生活できるように実施されている政策を学びました。講義の後には、高齢者の方に働く場所を提供している江戸川区熟年人材センターへ訪問し、実際に高齢者の方が働かれている現場を見学しました。
江戸川区熟年人材センターでの障子の貼り付け作業を見学する団員
江戸川区熟年人材センターでの障子の貼り付け作業を見学する団員
午後には、能と和太鼓の日本文化体験を行いました。和太鼓体験では、はじめはバチの持ち方も分からない団員もいましたが、少しずつ太鼓の打ち方にも慣れ、最後には全員で1曲演奏できるほどになり、団員も汗を流して楽しんでいました。
みんなとリズムを合わせた和太鼓演奏
みんなとリズムを合わせた和太鼓演奏
日程6日目は、午前は研修の感想報告を、午後はオリジナルのボランティアプログラムをグループ毎に作成するワークショップを行いました。
感想報告会では、「研修を通して、高齢者問題をより身近に感じる様になった」といったものや、「自分の将来に備えて今から健康に気をつけ、運動を行うなどの対策をしたい」といったもの、また、日韓のボランティアに対する概念の違いに触れた意見などが上がっていました。
午後のワークショップでは、4つのグループ毎にオリジナルのボランティアプログラムを作成し、発表を行いました。団員と日本人学生が一緒に考えたプログラムには、高齢者と周囲の人達のつながりを強化するもの、生きがいを見つけることに目的を置いたものが提案されました。
団員と日本人学生が協力して作り出したボランティアプログラム
*写真クリックで拡大します。
1班作成
1班作成
2班作成
2班作成
3班作成
3班作成
4班作成
4班作成
今回の研修を終え、団員達からは、
「理論と実習がプログラムの中に盛り込まれていたので良かった。また、講義が主ではなて、実習もいっしょに行われたことが良かった。」「終わってから考えてみると、プログラムも興味深く、特に日本の友達と時間を気にすることなく、交流できたので良かった。」
といった意見が聞かれました。
<日程>
2月20日(日)
羽田国際空港着、ソニーエクスプローラサイエンス見学
21日(月)
講義、外務省表敬、浅草見学
22日(火)
日韓青少年の顔合わせ、日本社会事業大学訪問
23日(水)
社会福祉法人サンフレンズにてボランティア活動
24日(木)
江戸川区役所訪問、日本文化体験(能、和太鼓)
25日(金)
日韓青少年共同報告会
26日(土)
羽田国際空港より出国