【キズナ】韓国中学生訪日研修団(第1・2団、2012.9.6~9.12)

9月6日から9月12日までの6泊7日の日程で、韓国中学生訪日研修団(第1・2団)計99名が来日し、研修を行いました。
(第1団団長:林炳泰(イム・ビョンテ)銅雀高等学校教頭、第2団団長:金鍾鉉(キム・ジョンヒョン)華渓中学校校長)

本研修は、外務省の「アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)」の一環として行われ、被災地を訪問し、東日本大震災からの復興の様子や現況を視察しました。[@pause]

一行は2日目、東日本大震災被災地への訪問に先立ち、明治大学危機管理研究センターの野上達也研究推進員より講義「3.11東日本大震災―被災状況と復興の概要」を受講しました。団員らは報道を通じてのみ知らされていた震災について、地震と津波などの被害に加え、復旧・復興の状況について震災直後と現在の写真を見ながら解説を受けました。講義後の質疑応答では、全壊と半壊による保険の適用範囲を質問するなど、韓国では馴染みの薄い地震被害についてもより理解を深めようとする積極的な姿勢がみられました。

3日目は都内での研修を行い、4日目に東日本大震災の被災地である茨城県潮来市に向かいました。到着後、まず潮来市観光商工課の額賀浩課長から、「東日本大震災における潮来市の震災被害と復興」というテーマで講義を受けました。この講義を通じ、潮来市は住宅地の液状化被害が大きかったこと、またこの被害への支援拡大の要望を政府に積極的に働きかけたこと、これからの復興に向けての取り組みなどを学びました。


【潮来市での講義】

潮来市の被害状況・復興への取り組みを知った一行は、被災地の一つである日の出地区の見学に向かいました。凸凹の道から見る住宅地では、普通は地中にあって見えないはずが地上に飛び出した水道管、隣り合わせながら隆起・沈下して大きく高低差のできた住宅など、被害の様子を目の当たりにしました。


【震災がれきストックヤードを見学】

夕食では潮来市の中高生との交流会が開かれました。地元生徒からの伝統芸能「潮来囃」の披露に対し、韓国団員からはサムルノリや歌で応えるなど、食事後も同世代との交流の時間をもちました。


【夕食交流会でサムルノリを披露】

5日目は、あやめ園での整備活動を行いました。残暑厳しい日差しの下、「自分たちがきれいにしたあやめ園に多くの観光客が訪れ、復興に貢献できたらいい」と語るなど、団員らは休憩も惜しんで除草や落ち葉拾いに汗を流していました。


【あやめ園で整備活動を行う団員たち】

6日目はさいたま市内の中学校を訪問しました。
第1団の岸中学校訪問では、全校生徒からの歓迎を受けた後、全学年の教室に分かれて授業に参加したり、給食を体験しました。各クラスでの学級活動では、来日後の感想を問われたり、日韓生徒が混じってのゲーム、折り紙づくり、空手やバレエの特技披露など、思い思いの交流となりました。


【笑顔で交流した学校訪問(第1団・岸中学校)】

第2団の春里中学校では、歓迎式が終わった後、団員と行動を共にするペア生徒との対面式が行われました。初めは恥ずかしそうにしていましたが、自己紹介を済ませた後は、お互いの学校の様子などを聞きあい、すぐに打ち解け合いました。各クラスに分かれて授業体験をした後は、全校生徒が集まる中で交流会が行われました。春里中学校からは柔道、剣道の実演があり、また鶴の折り方を教えてもらいました。韓国側からも伝統音楽を披露するなどお互いの文化を紹介しあった貴重な時間となりました。


【鶴の折り方を教えてもらう(第2団・春里中学校)】

「ニュースで見聞きしていた被災地の様子をよく知ることができた。1年程度にもかかわらず、こんなに復旧が進んでいることに驚いた。」「日韓両国の関係が緊張する中の日本訪問に少し心配していたが、中学校を訪問しお互いを知ることができて安心できた。」などの感想が語られました。

<日程>
9月6日(木)
成田国際空港着、訪日研修オリエンテーション
9月7日(金)
都内見学(浅草寺、仲見世、江戸東京博物館)、歓迎昼食会、講義
9月8日(土)
都内見学(日本科学未来館、東京みなと館)、文化体験(能楽体験)
9月9日(日)
被災地(茨城県潮来市)へ移動、講義、被災地見学、地元同世代生徒との交流会
9月10日(月)
あやめ園の整備活動、ろ舟乗船体験、外務省訪問、文化体験(茶道体験)、さいたま市へ移動
9月11日(火)
<第1団>さいたま市立岸中学校訪問、<第2団>さいたま市立春里中学校訪問、各団全体報告会
9月12日(水)
成田国際空港より帰国