【キズナ】宮城県高校生訪韓研修団(2012.10.21~10.27)

10月21日から10月27日の6泊7日間、宮城県の高校生47名による訪韓研修を実施しました。

外務省の「アジア大洋州地域及び北米地域との青少年交流(キズナ強化プロジェクト)」の一環として行われたこの研修は、同世代の交流を通じた相互理解をはかると同時に、東日本大震災の被災体験や現在の復興の状況を韓国内で発信することを目的とするものです。
高校生たちによる震災時の様子や復興に関する情報発信のほか、韓国の文化、歴史などを学び、同世代の韓国人との交流を通して、韓国に関する理解も深めました。[@pause]

2日目午前は体験学習として、水原にあるキムチ工場でキムチ作り体験を行いました。キムチの良い効果についてや、加える薬味や具材などに関して説明を受けた後、慣れない手つきでそれぞれがオリジナルのキムチを楽しそうに作る姿が見られました。


講師の説明に聞き入る団員たち

3日目午前は公州地域の博物館や古墳を見学、午後は水原まで戻り、水原華城の見学をしました。今回は、地元の梅香女子情報高等学校の生徒が案内をする形で行われました。それぞれのパートナーと見学しながら打ち解けた後、夕食の席でさらに交流を深めました。夕食に先立ち、一部団員による被災体験などの発表を行いましたが、梅香女子高の生徒たちはとても真摯な表情で話に聞き入っていました。


発表資料に見入る団員と梅香女子高生徒

4日目は統一展望台見学、体験学習(サムルノリ体験)のあと、在大韓民国日本国大使館公報文化院を訪問しました。山後副院長より歓迎のあいさつがあり、大使館及び文化院の業務についての説明の後、山後副院長ご自身が外交官を目指すきっかけとなった経験についてや、ご自身と韓国のかかわり、外交官として韓国に抱く思いなどのお話がありました。団員代表の挨拶では、「キズナ強化プロジェクト」に参加できたことへの謝辞や、研修を通じた同世代の子との交流を楽しみにしていること、すべての経験が貴重であり、有益なものとしたいことが述べられました。その後の団員からの質疑では、外交官になるための方法や、韓国人の日本観についてなどの質問が出ました。


山後副院長の話を聞く団員達


手ほどきを受ける団員達

5日目は待ちに待った学校訪問。ソウルに隣接する一山にある中山高等学校を訪問しました。校門でさっそく歓声と笑顔で迎えられると、緊張していた団員たちはすぐにリラックスした様子が見られました。
午前中の歓迎会の中で、団員から被災体験に関する発表を行いました。大きく映し出されたプレゼンテーション資料を説明しつつ、東日本大震災時の波や被災の様子、団員自身の被災体験と、その後のボランティア体験などを語り、発表の最後に韓国が他国に先駆け復旧支援を開始してくれたことへの感謝の言葉を述べました。
発表の最中、韓国側生徒は真剣な面持ちで、時に映像に驚きの声を上げる姿が見られました。韓国側生徒からは、「実体験を聞くのは初めてで、ニュースなどで見聞するものよりもはるかに実感できた気がする。」「発表すること自体がつらいであろうに、真摯に訴えかけてくる姿に心打たれた。」といった感想が聞かれました。また、日本側団員もその様子を見て、発表の手ごたえを感じたそうです。

昼食後はパートナー生徒と休憩しつつ交流し、その後は体育、英語の授業に分かれ、韓国側学生に交じって授業体験を行いました。放課後は各パートナー宅でのホームステイへ向かいました。

翌朝、1泊のステイを終え学校に集合した団員たちは、前日よりもさらにパートナーと打ち解けた様子で、学校出発の際は涙で別れる姿が多くみられました。団員からは「あっという間だったがとても中身の濃い時間を過ごせた。これからも長く交流したい。」「初めての外国で、言葉も通じない相手と、これほどに仲良くなれるとは夢にも思わなかった。感動した。」といった感想が聞かれました。


団員のプレゼンテーション


さっそく打ち解け話に花が咲く


たくさんの生徒に囲まれてのドッジボール

<団員の感想文より>
「言葉で話す事だけが重要ではない。伝えようとする意志が大事なのである。たとえ言葉がわからなくても、人と人はつながっているのだと思った」
「この訪韓で、韓国の方の暖かさにたくさん触れることができた。日本から来た私をやさしく気遣ってくれたホストファミリーと話をしている時、国の違いを感じなかった。」
「(韓国に対し)偏見を持っていた自分が恥ずかしく思われます。まず自分の目で見て考え、周りの意見に流されないことが必要だと感じました。」
「学校訪問時の発表は興味を持ってもらえるか不安だった。でも、涙を流して聞いてくれたり、心配そうに声をかけてくれたりしたことがうれしかった。」
「『キズナ強化プロジェクト』という題の通り、日韓の絆をはじめ、ホストファミリーや交流した韓国の高校生など、たくさんの絆が今回出来たと思います。(中略)私たちが韓国に対して抱いている感謝や友好的な感情も伝わったに違いありません。」

<日程>
10月21日(日)

仙台空港出発、仁川国際空港到着
22日(月)
キムチ作り体験、(扶蘇山城、宮南池、陵山里古墳群は荒天の為見学中止)
23日(火)
国立公州博物館、武寧王陵、韓国民俗村、
水原華城(梅香女子情報高等学校の生徒との交流)
24日(水)
烏頭山統一展望台、サムルノリ体験、景福宮、在大韓民国日本国大使館公報文化院
25日(木)
中山高等学校訪問、ホームステイ
26日(金)
文化体験(韓服、礼儀作法体験/テコンドー)、ショッピングセンター視察、芸術鑑賞
27日(土)
仁川国際空港出発、仙台空港到着