【JENESYS2.0】韓国青年訪日研修団第1~3団(2013.7.30~8.8)

JENESYS2.0の一環として「JENESYS2.0」の一環として、韓国の在外公館から選抜された韓国の高校生、大学生で構成された韓国青年訪日研修団1、2、3団計90名が来日し、7月30日から8月8日までの9泊10日の日程で研修を行いました。

(1団団長:崔京国(チェ・ギョングク)明知大学校教授、2団団長:趙大夏(チョ・デハ)ソウル女子大学校教授、3団団長:金生培(キム・センベ)順天江南女子高等学校教諭)
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一行は、「日本を感じる」という研修テーマの下、滞在中、広島県安芸太田町でホームステイを行ったほか、学校訪問や企業訪問、文化体験を通して日本の魅力を体感しました。
※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
7月30日(火)
成田国際空港着
31日(水)
オリエンテーション、講義、外務省訪問、浅草見学
8月1日(木)
【第1団】東洋大学訪問、【第2団】目白大学訪問、
【第3団】三鷹の森ジブリ美術館見学、日本科学未来館見学、茶道体験
2日(金)
広島県へ移動、宮島・厳島神社見学
3日(土)
広島平和記念資料館見学、平和記念公園訪問、安芸太田町へ移動、歓迎セレモニー(町長表敬、町概要説明等)、歓迎神楽観覧、灯篭絵付け体験、夏祭り体験
4日(日)
対面式、ホームステイ
5日(月)
【第1・2団】安田女子大学訪問、【第3団】広島県立加計高等学校訪問、大阪へ移動
6日(火)
江崎グリコ株式会社訪問、お好み焼き作り体験、大阪城見学
7日(水)
京都へ移動、浴衣着付け体験、友禅染体験、清水寺見学、訪日研修団報告会
8日(木)
帰国(成田国際空港)

 

一行はまず、国士舘大学21世紀アジア学部 青柳寛教授による講義:「日本でポップカルチャーを考える」を受講しました。文化産業によって生み出されるポップカルチャーと、伝統的な民俗文化との関係について理解を深めました。例として、ジブリアニメなど団員たちが興味を持つ題材が紹介され、講義の後には活発な質疑応答が行われました。

その後、外務省を訪問し、大学生代表として2団:千宰桓君(韓国・中央大3年)からは、隣国として大変な時に共に助け合う関係を築いていけるようにしたい、また研修を通じて日本文化や伝統を理解し、韓国でも広げていけるようにしたいということ、高校生代表として、3団:丁珍景さん(公州錦城女子高3年)からは、学校訪問やホームステイがとても楽しみで、研修を通じてこれまでとは異なる新しい視点を持てるようにいろんなことを体験したいと研修の抱負を含む挨拶が述べられました。

都内で大学生団は、それぞれ、1団は東洋大学、2団は目白大学を訪問し、キャンパス見学等を行ったほか、日本の大学生とのディスカッションを通し、交流を深めました。
1団が訪問した東洋大学では、3つの分科会に分かれ、「両国における少子化問題と取り組み」「両国における若者のキャリア形成における課題」「両国間の観光交流の拡大」について活発なディスカッションが行われました。

高校生団は、都内で、実際にお茶室で茶道のお点前を体験しました。団員たちからは、目に見える作法だけでなく、心の持ちようも学べたとの感想がありました。

日程4日目から7日目にかけて、全団広島県で研修を行いました。安芸太田町での1泊2日のホームステイの他、世界遺産見学(宮島・厳島神社、原爆ドーム)や学校訪問等を行いました。
安芸太田町では歓迎セレモニーが行われ、芸北地方で盛んな神楽上演が行われ、団員たちは初めて見る神楽の迫力に引き込まれていました。その後、地域の夏祭りにも参加し、日本のお祭りの雰囲気を思い思いに味わいました。

ホームステイを前にして団員たちはやや緊張した様子でしたが、対面式で、ホスト家族の方々から一言ずつあたたかな歓迎のメッセージをきき、笑顔でホームステイを開始しました。
ホームステイでは、家族の方に囲まれながら、野菜の収穫や流しそうめん、魚釣り、料理体験など、さまざまな日本の田舎ならではの体験をすることができました。団員たちからは、「ホストの方が大変温かく迎えてくれ、日本人の情を感じた」、「家族のように迎え入れてもらい、安芸太田町が第二の故郷のように感じられるようになった」といった感想がありました。

また、大学生団は安田女子大学を、高校生団は広島県立加計高等学校をそれぞれ訪問しました。

大学生団で訪問した安田女子大学では、ディスカッション等の他に、日韓両国の学生が協力しながら抹茶ぜんざいを調理し、交流を深めることができました。

高校生団で訪問した加計高等学校では、交流会の中で、折り紙体験や染め紙などの日本文化を在校生の皆さんに教わりながら、終始高校生同士話が弾んでいました。また、学校が誇るビームライフル射撃の体験も行われ、団員たちも部員の方々にやり方を教わりながら、楽しんでいました。

8日目以降は関西に移動し、企業見学や、文化体験を行いました。

大阪では、大阪城を見学した他に、江崎グリコ株式会社を訪問し、会社の方の説明を伺いながらグループ毎に江崎記念館を見学した後、質疑応答の時間を設けていただきました。6月よりヘテ製菓と提携し「ポッキー」の韓国での販売に乗り出したことに団員たちは大変関心を抱いた様子で、質疑応答では特にこの点につき、活発な質問がありました。

京都では、友禅染でトートバッグを作ったり、日本の夏の伝統衣装である浴衣着付け体験を行いました。気に入った色や柄を選び、西陣周辺を散策しながら、京都の雰囲気も味わうことができました。団員たちも慣れない浴衣に足さばきなど苦労していましたが、日本を肌で味わうことができたと楽しんでいました。

今回の研修を通して、団員たちからは以下のような感想がありました。
・ホームステイを通し、日本のお父さん、お母さんができたこと。一生仲良くしていきたい出会いで、別れるとき涙が出た。
・大学訪問で国家の壁を越えて一つの問題について意見を交わし合えてよかった。
・お互いの文化によって両国が一つになれると感じた。例えば好きな芸能人の話などを始めたら、すぐに距離が縮まった。文化のパワーを感じた。
・原爆ドームの見学や東日本大震災からの復興を垣間見て、困難にぶち当たってもどうにかして克服していく日本人の姿勢に感嘆した。
・訪日前にあった反感が、研修を通して友好的なものに変わり、日本を再訪したいと思うようにさえなったことを自国の人々に伝え、人々の間違った偏見を正していきたい。