【JENESYS2.0】日本大学生訪韓研修団(2013.9.9~9.18)

JENESYS2.0の一環として、当基金で選抜、派遣した日本大学生訪韓研修団(韓国外交部招へい)30名が訪韓し、9月9日から9月18日までの9泊10日の日程で研修を行いました(団長:外務省領事局海外邦人安全課 下地 富雄 課長補佐)。一行は、「伝統」という研修テーマの下、滞在中、大学訪問やホームステイ、地方での文化体験を通して、韓国の文化や歴史について学んだ他、外交部や日中韓協力事務局を表敬し、日韓関係についても知識を深めました。[@pause]
※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

主催:日本国外務省、大韓民国外交部
実施機関:公益財団法人 日韓文化交流基金、韓国国際交流財団

<日程>
8日(日)
研修前オリエンテーション
9日(月)
金浦国際空港より入国
10日(火)
大韓民国歴史博物館見学、日中韓協力事務局訪問、歓迎昼食会(韓国国際交流財団主催)、「世宗物語・忠武公物語」見学
11日(水)
在大韓民国日本国大使館 公報文化院訪問、歓迎昼食会(外交部主催)、仁寺洞探索、NANTA観覧、Nソウルタワー見学
12日(木)
外交部訪問、韓国外国語大学校訪問
13日(金)
板門店見学、ホームステイ対面式
14日(土)
終日ホームステイ
15日(日)
「日韓交流おまつり2013 in SEOUL」へ参加
16日(月)
龍仁民俗村見学、全州へ移動、文化体験(餅つき、韓服、パンソリ、全州韓屋村見学、ビビンパ作り)
17日(火)
慶基殿、全州韓方文化センター見学、釜山へ移動
18日(水)
冬柏島、APECヌリマル見学、金海空港より出国

一行はまず、日中韓協力事務局の岩谷滋雄事務総長を表敬しました。概要説明の後の質疑応答の時間では、団員から東アジア共同体の可能性について、事務局で主催している映像コンテストについてなど、活発に質問が出ました。団員達にとり、直接日中韓の関係協力について説明を受ける貴重な機会となりました。また、事務局からは団員の関心の高さと理解の深さを褒めて頂きました。

在大韓民国日本国大使館 公報文化院の訪問では、文化院の役割などについてのブリーフを受けたほか、15日に参加する「日韓交流おまつり 2013 in SEOUL」に関してのブリーフも受けました。団員達はフィナーレで踊る「よさこいアリラン」の練習も熱心に行い、おまつり参加へのやる気を高めていました。

日程3日目には、韓国側の主催機関である韓国外交部を表敬しました。日韓関係に関するブリーフでは、両国の若者への期待と役割に関しても話がされました。質疑応答の時間では、団員から日韓間の懸案の解決方法についての質問等がなされました。団員達にとって韓国側の意見を直接聞け、日韓関係について改めて考える良い機会となった様です。

同日には韓国外国語大学校も訪問し、日本学部の李相薫教授の講義を受けたほか、同校の日本学部の学生との交流、キャンパスツアーを行いました。初めは緊張している様子を見せていた団員も、時間が経つにつれ韓国側学生と打ち解け、盛んに話をしていました。待望の韓国側学生との交流に、団員達は終始楽しそうにしており、再会を約束して、名残惜しそうに別れていました。

板門店見学では、統一展望台の見学や、脱北者の体験談を聞くことができました。見学後団員達からは、現地の緊張が伝わり、思った以上に貴重な経験だったといった感想が出ていました。また、この見学を通して、改めて韓国と北朝鮮の問題、日本の役割について学びたい、と述べた学生が多く見られました。

板門店見学の後は、ホストファミリーとの対面式が行われ、それぞれ2泊3日のホームステイに向かいました。ホームステイを終え、団員からは「伝統文化だけでなく、現代の韓国の一般家庭を体験する、貴重な機会だった」「毎回ご飯をたくさん作ってくれ、笑顔で様々な体験をさせてくれたホストにとても感謝している」「ホストファミリーのぬくもりや親切心などを実際に自分の肌で感じることができた。とても良かった」といった感想が聞かれました。

    
15日の日曜日には、ソウルにあるCOEXで開催された「日韓交流おまつり2013 in SEOUL」に「JENESYS2.0ブース」出展者及びボランティアとして参加しました。「JENESYS2.0ブース」出展グループは、来場者を対象にちぎり絵で作る絵葉書作りを教えたり、日本の駄菓子試食体験、都道府県クイズなどを行ったりしました。中でも都道府県クイズは人気を集めており、少々難しいクイズにも真剣に答える来場者の姿が見られました。ブース出展グループ、ボランティアグループ共に韓国の同年代の若者と一緒に活動を行い、それぞれに友情を深めていました。日程終了後は、一様に「楽しかった!」と笑顔を見せていました。

翌日からは全州に移動し、韓国の伝統的な家屋である韓屋で韓服やパンソリなどの伝統文化体験を行いました。また、夕食には全州の名物であるビビンパを自分達で作り、食しました。団員達は、初めて体験する全てのことに興味深く、積極的に取り組んでいました。

研修を終え、団員たちからは以下のような感想が述べられました。
・物事を多角的に捉えることの大切さを学んだ。一面的な偏った見方では決して日韓関係は良くならず、色々な要素を考慮して総合的に判断することが大切だと思った。今回様々な人から色々な話を聞くことができ、大いに見聞が深まった。
・日韓関係は冷え込んでいるとの報道をよく見るが、実際はそうではなかった。韓国の方の優しさに純粋に感動し、民間交流の無限の可能性も感じた。
・日韓関係や歴史的な問題などについて知識の少なさや、未熟さに気づかされた。最低限の知識や知っておくべきことを学び、身に着けておくべきことがたくさんあり、今後の日韓関係についても考えていきたい。
・文化体験では、ただ楽しむだけでなく、その背景をきちんと説明して下さり、理解を深めることができた。
・外交部や、大学訪問での教授の話を聞くと、日韓関係は非常に難しいものだと実感した。お互いを知ることから始めるのはもちろんだが、今回の研修で得たものを、発信、共有できるよう今後努力したい。

他にも多くの団員が印象深かったこととして外交部訪問や板門店見学を挙げていました。
研修を終えてからは、団員達はSNSや学校での発表を通して、今回の研修で学んだことや自分の考えを周囲の人に発信しています。