【JENESYS2.0】韓国教員訪日研修団第3団・第4団(2013.10.1~10.10)

韓国内の若手中学・高校教員で構成された韓国教員訪日研修団第3団・第4団の計39名が来日し、10月1日から10日までの9泊10日の日程で研修を行いました。
(3団団長:金正鎰(キム・ジョンイル)善隣インターネット高等学校校長、4団団長:金明植(キム・ミョンシク)中山高等学校校長)
[@pause]
本事業は「JENESYS2.0」の一環として行われ、「日本を感じる」という研修テーマの下、日程中は学校訪問や九州でのホームステイを通じて日本人との交流を行ったほか、和菓子作りや茶道体験等の日本文化を体験しました。
※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
10月1日(火)
成田国際空港着
10月2日(水)
オリエンテーション、講義、歓迎昼食会、歌舞伎座ギャラリー見学、和菓子作り
10月3日(木)
東京都立三田高等学校訪問、東京都立田柄高等学校訪問
10月4日(金)
国立東京工業高等専門学校訪問
3団:鹿児島県へ移動、4団:佐賀県へ移動
10月5日(土)
3団:霧島神宮見学、坂元のくろず・情報館見学、犬飼の滝見学
4団:有田町長との面会、有田町の魅力に関する講義、有田観光協会による町内案内(泉山磁石場見学、陶山神社・李参平の碑見学、九州陶磁文化館見学)
ホームステイ対面式
10月6日(日)
終日ホームステイ
10月7日(月)
中学校訪問(3団:霧島市立陵南中学校、4団:有田町立有田中学校)、大阪へ移動
10月8日(火)
大阪城見学、和太鼓体験、お好み焼き作り体験
10月9日(水)
金閣寺見学、龍安寺見学、着物着付け体験、茶道体験、感想報告会
10月10日(木)
関西国際空港より出国

 

文部科学省職員からの講義では、中・高校だけの指導にとどまらない、より広い期間を見据えてのキャリア教育について話がなされました。団員は日本の学生の実情と、日本の教育の方向性について理解を深めました。

都内の学校訪問では、計3校の高校を訪問しました。団員達はそれぞれの学校で授業見学と、教員との懇談会の時間を持ちました。
東京都立三田高等学校では、授業に集中している学生の様子を見、団員達は一様に驚いていました。東京都立田柄高等学校では、2年生が次年度で履修する伝統文化体験授業の説明を受ける日で、団員も10名1グループになって2年生と一緒に8つの体験授業の説明を受けました。和太鼓の授業では、学生と一緒に太鼓を打つなど、授業を楽しく見学しました。
国立東京工業高等専門学校では、将来の日本のものづくりの担い手を育てる、特色あるプログラムについて理解を深めました。校長先生による説明と授業見学を通して韓国にはない高専の様子についてよく知ることができました。

4日目からは各団地方に移動し、研修を行いました。
3団は霧島市の特産品である黒酢について、坂元のくろず情報館で学びました。薩摩焼を使った製法を学んだ後は、実際に黒酢を使った料理を食しました。あっさりとした味付けは団員からも好評でした。

4団では有田町の田代正昭町長による歓迎のあいさつの後、町内の各種史跡見学を行いました。あいにく小雨の中の見学となりましたが、団員達はボランティアガイドの説明に真摯に聞き入っていました。

その後、両団ともにホームステイ対面式を経て2泊3日間をホストと過ごしました。緊張の面持ちでホスト家庭に向かって行った団員達も、別れの時にはお互いに涙を流す程の濃密な時間をすごすことができました。
ホームステイを終え、日本に対する偏見が無くなった団員や、ホストの心の温かさに感動した団員が多くいました。

その他ホームステイ地域では各団1校ずつ中学校を訪問しました。3団、4団ともに概要説明の後授業見学を行いました。
第3団が訪問した霧島市立陵南中学校では、学生達の元気な挨拶と笑顔に団員たちは感心していました。また、給食の時間には、各教室の給食指導の様子を見ることもでき、韓国とは違う給食時間の風景を興味深く見学していました。
第4団が訪問した有田町立有田中学校では2、3時間目にかけて授業見学ができ、団員達はじっくりと授業を見学していました。その後の質疑応答の時間では、学校経営方針や部活動と指導者の確保の問題などに質問が集中していました。

各団計4校の学校訪問を終え、団員からは「先生も子供たちも一生懸命授業に取り組んでいることが一番心に残った」、「5教科以外の科目(体育・音楽・美術など)に力を入れて情緒教育に取り組んでいる様子が印象に残った」、「先生同士の意見交換が印象深かった」といった感想が出ました。

日程中に行った文化体験の一つの和菓子作りでは、団員達は悪戦苦闘しながら細かい作業を進め、練り菓子を二つ完成させました。
一方、和太鼓体験では全身を使って色々な大きさの和太鼓を演奏しました。団員達はリズムに苦戦しながらも、曲を完成させようと真剣でした。

今回の研修を通して、団員たちからは以下のような日本の姿を伝えていきたいとの感想がありました。

・学校訪問で日韓の学校を比較して学んだ日本の教育のよさを韓国の同僚に伝えたい。
・帰国したら学生たちに日本の過去と現在の姿を客観的に話したい。
・反対する家族を説得してでも参加してよかったと思ったこと。地震から復興している日本の姿が見られて安心した。
・大阪の遺跡を訪ねて日本の歴史を垣間見られ、また遺跡の管理に関しても考えさせられた。