【JENESYS2.0】青少年映画交流 アジア国際子ども映画祭参加訪日団(2013.11.24~12.2)

JENESYS2.0※1の一環として、在大韓民国日本国大使館で選抜、派遣されたアジア国際子ども映画祭参加訪日団10名(引率1名含む)が、11月24日から12月2日までの8泊9日の日程で訪日しました(引率:朴幸子(パク・ヘンジャ)梅香情報女子高等学校)。[@pause]
一行は、今年でアジア国際子ども映画祭※2に参加するほか、首都圏及び南あわじ市にて映像関連施設や学校訪問等を通して日本の魅力を発見しました。

※1「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

※2 アジア国際子ども映画祭とは、子どもたちが映画制作を通じて、社会に出るまでの目標や目的、競争意識、自覚を持たせ、感受性豊かな人間に育ってほしいという杉良太郎氏の想いから生まれたプログラムで、07年度より開催。本年度は兵庫県南あわじ市で開催される。各国において選定された優秀な作品の制作者が招へいされ、「アジア国際子ども映画祭(本選大会)」に作品を出展し、また映画制作を通じた各国の中高生による国際交流を行う。韓国は2010年から参加。

<日程>
11月24日(日)

羽田国際空港着、オリエンテーション、歓迎夕食会
25日(月)
SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ、川口市立川口総合高等学校訪問、秋葉原見学
26日(火)
NHKおよび同スタジオパーク見学、南あわじ市へ移動
27日(水)
全体オリエンテーション、南あわじ市表敬、淡路ファームパーク(観光振興)視察
28日(木)
洲本城、伊弉(いざなぎ)神宮見学、淡路市内高等学校訪問
29日(金)
淡路人形座淡路人形浄瑠璃、うずの丘大鳴門橋記念館、鳴門海峡(うずしお)見学
30日(土)
「いじめ」フォーラム、アジア子ども映画祭本選大会、全体ワークショップ
1日(日)
成果報告会、大阪へ移動
2日(月)
関西国際空港より出国

 

2日目は、埼玉県川口市にある彩の国ビジュアルプラザ映像ミュージアムを訪れ、映像原理や市民のための映像教育施設を見学しました。韓国で映像分野を学んでいる学生の一人は「むかし実際に使われていた映像機器や映像原理の展示に触れ、これまで教科書で学んだことを実際に目にすることでさらに理解が深まった」と述べていました。
その後、隣接する川口市立川口総合高校を訪問し、同校の芸術映像系列の生徒が受講している授業を見学しました。授業の中では、卒業制作に取り組む様子を見たり、日本側、韓国側双方の生徒がそれぞれ制作した作品を鑑賞するなどしました。また、交流の時間では、いずれは映像関連の道に進みたいなどお互いの将来について語りあったりしました。
川口総合高校の訪問を終えて、韓国の学生たちからは「日本の学生たちの映像を見ながら、日本アニメをもとにした構図が取られているなど特徴的な部分を発見した」、「言葉は通じなくても、映像という共通のツールで互いの文化について理解することができた」など感想が聞かれました。
また、秋葉原訪問では、秋葉原駅と御徒町駅の高架下にできた「2k540」を訪れ、出店している店舗を回りながら、日本の伝統やものつくりについて見学しました。

3日目の渋谷にあるNHKで、団員は実際のニュースで使用するスタジオに入り、ニュースを伝える体験をしたり、台本提示画面やカメラの設備などを確認するなど、それぞれ専門性の高い観点から見学しました。さらにNHKに関し、NHKラジオの日本人職員が韓国語で説明してくださり、質疑応答が円滑に進んだだけでなく、NHKにおける韓国語能力の高さを確認することができました。
また、新幹線で関西に移動する前、若者のまち、原宿を見学する時間が設けられ、おのおの同世代が集まる街を堪能し、特に「カワイイ文化」を発見しました。

4日目からは本映画祭に参加する韓国以外13地域および国の団員と合同のプログラムとなりました。多くの地域の代表と交流しながら、映画祭開催地である南あわじ市の淡路ファームパークにて観光振興を学び、5日目にはミャンマーグループと洲本実業高等学校を訪問し、同世代の学校生活を垣間見るとともに、日本の伝統文化である茶道も体験しました。同世代の高校生が点ててくれたお茶は飲みつけないものでしたが、楽しいひと時を過ごせました。

その他、淡路人形浄瑠璃を見学し伝統文化の多様性を学ぶ一方、鳴門海峡でうずしお見学をするため船で瀬戸内海に出て、島々が連なる美しい日本の風景を味わいました。また、足湯体験をし、日本の地形や温泉について学びつつ疲れを癒しました。

映画祭本選で韓国グループは、仁川國際高校が「Trauma/トラウマ」で優秀賞を、梅香女子情報高校がOutcast/いじめ」で奨励賞を受賞し、舞台で表彰されました。韓服に身を包んだ、受賞者たちはバックスクリーンに大きく映し出され、舞台でひときわ輝いて見えました。

研修直後、行事参加者を対象にアンケートを実施したところ、下記のような感想がありました。
○映画祭に関して
・映画祭に参加した生徒の国について、関心を持ついい機会となった。
・言葉が通じなくても、「若さ」ということだけでも青少の交流が成り立つことが不思議だった。

○学校訪問について
・日本の学生達が、自分たちを歓迎してくれて、親切な態度で接してくれたことが忘れられない。
・下手な日本語の会話にも笑ってくれたり、積極的に助けてくれたりした日本人の学生のお陰で、良い思い出だけで帰国できた。

○日本について(日本人・文化など)
・日本の伝統をとても大切にし、きちんと保存しようとする日本人の姿が印象的だった。
・韓国人に対する日本人の態度がとても良くて驚き、日本に対する先入観が消えた。
・キレイな町など、日本は学ぶ点が本当に多い国だと感じた。
・国の特有性を持ち、かっこよさを活かした伝統文化が新鮮だった。