【JENESYS2.0】韓国青年訪日研修団第1・2・3団 (2014.1.15~1.24)

「JENESYS2.0」の一環として、在大韓民国日本国大使館、在釜山日本国総領事館及び在済州日本国総領事館で選抜、派遣された韓国青年訪日研修団第1・2・3団、計88名が、去る1月15日から1月24日までの9泊10日の日程で研修を行いました(第1団団長:金允海(キム・ユンヘ)韓国海洋大学校造船機資材工学部教授、第2団団長:南基正(ナム・ギジョン)ソウル大学校日本研究所副教授、第3団団長:南二淑(ナム・イスク)群山大学校日語日文学科教授)。[@pause]

一行は、「日本を感じる」という研修テーマの下、滞在中、東京都内、地方(第1団:大分県、第2・3団:和歌山県)及び大阪府、京都府で大学訪問や企業訪問を行ったほか、ホームステイや文化体験を通して日本の魅力を体感しました。

※1「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
1/15(水)
到着(成田国際空港)
1/16(木)
研修に関するオリエンテーション、講義、歓迎昼食会、第1団:秋葉原見学・第2、3団:東京スカイツリー見学、外務省訪問
1/17(金)
大学訪問(第1団:神田外語大学、第2団:国士舘大学、第3団:亜細亜大学)
1/18(土)
第1団:大分県へ移動、豊後大野市の魅力に関する講義、ホームステイ対面式
第2・3団:和歌山県へ移動、和歌山県庁訪問、和歌山県庁「和歌山県の魅力に関する講義」、ホームステイ対面式
1/19(日)
終日ホームステイ(第2・3団:藍染体験含む)
1/20(月)
企業訪問(第1団:株式会社久家本店、第2団:株式会社島精機製作所、第3団:中野BC株式会社)、大阪へ移動
1/21(火)
第1・2団:大阪企業家ミュージアム訪問、お好み焼き作り体験、和太鼓体験、大阪城見学
第3団:大学訪問(大阪教育大学)
1/22(水)
第1・2団:大学訪問(第1団:大阪大学、第2団:関西大学)
第3団:和太鼓体験、お好み焼き作り体験、大阪城見学、大阪企業家ミュージアム訪問
1/23(木)
京都へ移動、茶道体験、着物体験、京都の大学生との交流(金閣寺、龍安寺見学)、感想報告会
1/24(金)
帰国(関西国際空港)

 

 一行はまず、立教大学経営学部の鈴木秀一教授の特別講義「日本の会社組織と経営戦略」を受けました。日本人と欧米の人々が会社に求めることの違いを比較しながら、日本の会社組織の特徴を知り、今後のグローバル社会にどのように対応していくべきか、ということについて話を聞きました。その後の外務省訪問では、団員から今後の日韓関係などについて積極的に質問が出ていました。

 都内での大学訪問は、第1団は神田外語大学、第2団は国士舘大学21世紀アジア学部、第3団は亜細亜大学を訪問し、キャンパス見学等を行ったほか、日本の大学生とのディスカッションを通し、交流を深めました。
 第3団が訪問した亜細亜大学では、冒頭、両国の学生がパートナーを組んで自己紹介をしながら相手の似顔絵を作成。完成した似顔絵は一人ずつ大型スクリーンに映され、作者が描いた相手のことを紹介する他己紹介を行いました。相手を注意深く観察できるように考えられたとてもユニークな試みでした。お互いの距離を縮めた後は、9つのグループに分かれ、「伝統的な食文化の継承」「理想的な大学生活」などのテーマで活発な意見交換を行いました。

 日程4日目から6日目にかけて第1団は大分県豊後大野市に、第2・3団は和歌山県西牟婁郡白浜町に移動し、2泊3日のホームステイの他、企業訪問や文化体験を行いました。
 ホームステイ前には緊張と不安な面持ちだった団員たちも、2日後には涙を流してホストとの別れを惜しんでいました。

 第2、3団では、ホームステイの間、文化体験として藍染を行いました。団員達は、藍染の手法を良く聞き、真剣なまなざしでデザインを考え、山から吹いてくる冷たい冬の風にもめげず出来あがった作品に一喜一憂していました。「想像以上に素敵な作品ができた。」「また来たい。」という声があちらこちらから聞こえてきました。

 企業訪問は、第1団は大分県臼杵市に位置する株式会社久家本店、第2団は和歌山県和歌山市にある株式会社島精機製作所、第3団は和歌山県海南市に本社を構える中野BC株式会社を訪問し、日本のものづくりについて理解を深めました。
 第1団が訪問した久家本店では、麦焼酎、日本酒のそれぞれの蔵と、その製造過程を見学しました。酒蔵の見学が初めてだった団員たちは、終始興味深そうに見ていました。また、質疑応答の時間では、日本の酒の特性等について質問がなされ、韓国でもよく知られている日本のお酒について知識を深める時間となりました。

 大阪に移動した一行は、大阪企業家ミュージアムを訪問する他、和太鼓体験などを行いました。
 大阪企業家ミュージアムでは、関西の企業家たちの発明品についてや、経営理念について学びました。見学を終え、団員達は、「日本人は本当に真面目で探究心がある。」「大阪の人は目の付けどころが違うみたいだ。」と驚いていました。
 和太鼓体験では思いっきり汗をかき、体を使って日本の文化を体験しました。体験が終わった後、最初は乗り気でなかったという団員も、「講師の熱意が伝わり、太鼓を叩いているうちにだんだん面白くなってきた。団員全員の結束感も生まれた感じがした。日本の文化は面白い。」と興奮気味に話していました。

 大阪での大学訪問は、第1団は大阪大学、第2団は関西大学、第3団は大阪教育大学を訪問し、都内に続き二度目の日本人大学生との交流を行いました。
 第2団が訪問した関西大学千里山キャンパスでは、関西大学の学生がファッションについての発表をした後、5つのグループに分かれ団員とディスカッションを行いました。「日本人と韓国人の考え方の違い」を大きなテーマとして日常生活においての日韓の違いや個人の違いを話し合い、まとめながらお互いを理解する場になったようです。

 京都に移動した一行は、茶道と着物を体験し、京都の学生と交流しながら世界遺産の金閣寺、龍安寺を巡りました。今回交流に参加したのは、NPOでボランティア活動に取り組む学生や当基金主催の大学生訪韓団参加者で京都の大学に通う学生たちでした。一行のバスに同乗し、地元京都の紹介から普段の学生生活までさまざまな話題で団員と交流を深めました。

 今回の研修を通して、団員たちからは以下のような感想が聞かれました。
・教科書では学べない日本の文化や日常生活が実際に見られたので、また参加したい。
・日本人に対する認識がとても良い方向に変わった。
・ホームステイでは日本人の情を感じることができた。
・ホームステイでは、ホストが熱心にいろんなことを教えてくれ、TVを見て一緒に笑ったり、たくさん話したりした。長い間付き合ってきたような知人のようだった。
・個人旅行と違い、多くの体験を通して日本の文化、日本人の心まで知ることができた。民間外交官として日韓交流のために自分にできることを考える良い機会となった。