【JENESYS2.0】韓国高校生訪日研修団(第4団)(2014.2.13~2.19)

JENESYS2.0の一環として「JENESYS2.0」の一環として、韓国国立国際教育院より派遣された韓国の高校生で構成された韓国高校生訪日研修団(第4団)計49名が来日し、2月13日から2月19日までの6泊7日の日程で研修を行いました(団長:金玲補(キム・ヨンボ)松峴女子高等学校校長)。
[@pause]一行は、「日本を感じる」という研修テーマの下、滞在中、熊本県天草市でホームステイを行ったほか、学校訪問や文化体験を通して日本の魅力を体感しました。

※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
2月13日(木)

成田国際空港到着、オリエンテーション
2月14日(金)
講義、歓迎昼食会、大雪のため新幹線で熊本へ移動
2月15日(土)
学校訪問(熊本県立苓明高校)、天草市内見学(天草歴史概説講義、天草文化交流館、本渡歴史民俗資料館)、
ホームステイ対面式
2月16日(日)
日本文化体験(茶道、華道)、ホームステイより集合、ホームステイ解散式
2月17日(月)
天草市内見学(天草ロザリオ館、大江天主堂、上田陶石合資会社、苓北真珠、天草漁協五和支所)
2月18日(火)
学校訪問(熊本県立宇土高校)、福岡へ移動、感想報告会
2月19日(水)
福岡国際空港より帰国

 

 来日した韓国高校生一行は、まず都内で「地域の魅力発信による地域振興策~ゆるキャラを中心に~」とのタイトルで、明治大学国際教育センター 菊地端夫副センター長による講義を受けました。くまモンをはじめとするゆるキャラが地域振興において重要な要素となっている点などの説明に学生たちは大きくうなずいていました。
 講義を聞いた高校生からは、「実際にゆるキャラはどのように広報しているのか」、「少子高齢化社会に対してゆるキャラがどのような役割を果たすのか」などの質問が出されました。
 この日は東京地方大雪のため、一部の見学日程を短縮し、急きょ熊本まで新幹線を乗り継いでの移動となりました。
 3日目は、天草市へ移動した後、熊本県立苓明高校を訪問し、同校の郷土芸能部生徒と「天草ハイヤ節」を通じた交流を行いました。初めに苓明高生徒による、「天草ハイヤ踊り」の披露が行われたあと、韓国高校生たちも手ぬぐいを持ち、ハイヤ節の独特のリズムにあわせて、道中踊りと呼ばれる踊り方を習いました。
 韓国の高校生たちからは、「ハイヤ踊りを見ながら、天草の歴史を実際にした気分になった」、「地域の伝統文化を愛し、守る姿が印象的だった」などの感想が聞かれました。

 その後は、本渡歴史民俗資料館 鶴田耕治館長による天草地方の歴史概説についての講義を受けました。講義では、天草が歩んだ歴史、海外とのかかわりなどについて学びました。
 夕方からは、天草市宮地岳地区に移動し1泊2日のホームステイを行いました。ホームステイ期間中、地域のボランティア講師による茶道と華道の体験も行われました。茶道では、慣れない正座と抹茶の味に若干戸惑いながらも日本文化を体感していました。
ホームステイを終えた学生たちは「日本というと、心理的に遠く感じることがあったが、ホストファミリーとの出会いを通して、日本は私たちの隣人なのだと改めて認識できた」、「ホームステイ先で出会った人たちの笑顔と細やかな心遣いが私の心を温かくしてくれた」、「優しくしてくれたホストファミリーのお父さん、お母さんという新しい家族ができてうれしかった」などの感想を述べていました。
 ホストファミリーからは「感謝・感激、田舎のおばちゃんたちに刺激を与えてくれた」、「韓国の子供たちは素直で礼儀正しく、ホストファミリーを引き受けた私にとっても何物にも代えられない幸せをもらった」、「人懐っこく明るい子たちに出会えて楽しかった。また会える日を楽しみにしています」などの感想が寄せられました。
  

 翌日は天草の歴史、文化、産業、自然をテーマに見学を行いました。この日の午前中に訪れた天草ロザリオ館、大江天主堂では、キリシタンの歴史について触れ、地域の人々が信仰を守ってきた姿を知ることができました。また、上田陶石合資会社では、江戸時代に地域振興のため産物の陶石を利用して陶磁器の生産が始まった点や古くこの地域の海岸に外国船が漂着して、船員たちを介抱した様子が記された古文書などについて説明を受けました。
 午後は、天草下島北部に移動しました。天草漁協五和支所の漁船に分乗し、同地域に生息する野生イルカを観察しました。その後、真珠養殖を行っている苓北真珠を訪れ、実際に真珠貝から真珠を取り出す体験を行いました。また、真珠養殖の苦労についても話を伺うことができました。特に「この海域のきつい波にもまれてこそ、強くきれいな真珠ができる」という言葉に、韓国高校生たちは自らの姿を重ね合わせて聞いていました。

 6日目の18日午後は、熊本県立宇土高校を訪問しました。訪問当日の午前中まで期末考査があったにも関わらず、80名近くの生徒有志が韓国高校生との交流に参加してくれました。同校の和太鼓部の生徒による歓迎の演奏に始まり、日韓双方の生徒がペアになり、クイズ大会やゲームで親交を深めました。その後、書道や茶道、柔道、剣道などの部活動の見学と体験を行い、日本の高校生活の日常に触れながら、交流する機会となりました。

 宇土高校での交流を終え、韓国側生徒からは「宇土高校生徒とゲームや部活動体験などを通して、日本の学校生活を知ることができ、韓国との共通点や異なる点についても知り学ぶことが多かった」、「学校訪問では新鮮な衝撃を受けた。はじめは言葉の壁があるのでうまく交流できるか心配だったが、心で通じ合うことの喜びを味わうことができた」などの感想が聞かれました。

 研修の最後に行われた感想報告会や研修後に実施したアンケートでは、団員たちから以下のような感想がありました。

・天草の自然は本当にすばらしかった。そして地域に住む人々の温かさを感じることができた。
・他の人を思う気持ち、愛情を知り感動した。短い期間であったが、日本での多くの人との出会いを通して、自分自身の世の中を見る視点が大きく変わった。
・ホームステイや学校訪問を通じて見えた、日本の社会と生活の実像が最も印象的だった。これまで持っていた日本に対する固定観念や先入観が変わるきっかけになった。
・日本を訪れ、その経済力に驚くこともあったが、何よりも印象的だったのは、日本の人たちの親切さだった。このことを韓国に帰ってから伝えていきたい。
・6泊7日と短い期間ではあったが、私の人生にとっては、何物にも代えがたい貴重な経験であった。この研修で経験したことを周りの友達にも伝え、日本を愛する人を増やしていきたい。
・今回訪れた天草の生活、文化、地域的な特色について知ることのできる良い時間となった。一生忘れることのできない思い出となるだろう。
・研修中、自国、地域の文化を守り、次の世代へ引き継いでいく姿を見ることができた。韓国でも同じ姿を見ることが出来ればと願うようになった。