日韓文化交流基金創立30周年記念作文コンテスト最優秀賞者訪韓研修団(2014.3.27~3.30)

当基金は創立30周年記念作文コンテストで最優秀賞を受賞した日本の中高生11名を、JENESYS2.0の一環として韓国に派遣し、3月27日から3月30日までの3泊4日の日程で研修を行いました(団長:池田徳次外務省総務課情報公開室)。一行は慶州市内での学校訪問や、釜山やソウルでの韓国側最優秀賞受賞者らとの交流を通して、日韓の相互理解と信頼関係を深めました。
*作文コンテストの日韓両国の最優秀賞作品については、今後当ウェブサイトに掲載の予定です。
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<日程>
3月27日(木)

成田空港より出発、釜山・金海空港到着、
釜山市内見学(朝鮮通信使歴史館、釜山タワー、チャガルチ市場)、
釜山地域最優秀賞受賞者及び有志学生との交流
3月28日(金)
慶州へ移動、
学校訪問(慶州女子中学校、菫花女子高等学校)、
慶州市内見学(石窟庵、仏国寺)
3月29日(土)
ソウルへ移動、
ソウル地域在住の韓国側最優秀賞受賞者との交流会(ビビンパ作り体験、昌徳宮、国立中央博物館見学)、
研修感想報告会
3月30日(日)
仁川空港より成田空港へ帰国

 

成田空港を出発した一行は、釜山市に到着し、市内の朝鮮通信使歴史館を見学しました。ここでは、江戸時代の200年間にわたり、平和と友好親善を目的に派遣された朝鮮通信使によってどのような交流が行われたかを学びました。

 
その後、釜山現地の学生との交流を兼ねた夕食会が行われました。夕食会では、始めは互いに緊張した様子でしたが、海鮮鍋を囲みながら、お互いの学校生活や将来の夢などについて話が交わされました。
 

翌28日は、KTX(韓国高速鉄道)で慶州に移動し、中学生グループ、高校生グループと分れて、学校訪問を行いました。
中学生は慶州女子中学校を訪れ、校長室で学校の概要説明を受けた後、施設見学、授業体験を行いました。授業体験では、美術のデッサンを行いました。昼食後は韓国側の生徒会長を含む代表生徒との意見交換会が行われ、お互いの学校の良い点について述べあったり、それぞれの学校の雰囲気や日ごろどのくらいの時間勉強しているかなど質問しあい、理解を深めました。
   

高校生は、菫花女子高校を訪れました。歓迎行事の後、施設見学、授業体験を行いました。授業体験では、日本語の授業に参加し、韓国側生徒たちに日本語でのあいさつなどを教えながら、交流を行いました。昼食後は生徒有志と卓球をしながらさらに親睦を深めました。

学校訪問を終えた日本側学生からは、「韓国の学校で生徒たちから思っていた以上の歓迎ぶりに驚いた」、「同い年の学生の話す日本語がとても上手で刺激を受けた」などの感想が聞かれました。学校訪問後は、中学生グループ、高校生グループが合流し、世界遺産にも登録されている仏国寺、石窟庵を見学しました。

29日は、再びKTXに乗車し、ソウルへ向いました。ソウル駅でソウル首都圏在住の作文コンテスト韓国側最優秀賞者と合流し、韓国文化体験として、ビビンパ作りを行いました。慣れた手つきで調理する学生がいる一方、包丁の扱いに苦戦する学生も見られましたが、全員が無事に作り終えて、昼食をとることができました。
昼食後は、昌徳宮、国立中央博物館を見学しました。国立中央博物館では、日韓混成の小グループで見学を行い、18世紀に日本の使者が釜山を訪れた時の様子を描いた作品などを鑑賞しました。
 

見学後に、研修感想報告会を兼ねた夕食会が行われ、「お互いに似ている点、異なる点があることに気付かされたが、それらを互いに認めて高めあうことが必要と感じた」、「メディアでは日韓の関係が悪いと言われているが、実際に現地で交流してみると異なる印象を受けた」、「互いに心を開き積極的に交流することの大切さを知った」など日本側参加者の感想が述べられた後、韓国側参加者からも「訪日プログラムで出会った友達との再会できてよかった。また新たに出会えた友達もできて良かった」、「訪韓プログラムでは、日本の学生たちが韓国の文化や歴史に関心をもって接してくれたことに感謝したい。今回の交流をさらに平和のためにつなげていきたい」などの感想が述べられました。一行は、最終日、ソウル市内のショッピングセンターを見学した後、仁川空港より成田空港へ帰国しました。

研修後のアンケートには以下のような感想が寄せられました。
「訪韓を通じて、韓国の人たちが日本に大変関心があり、本当の日本を知ろうとしている姿勢を実感した。逆に韓国について、日本の私たちは韓国のことをもっと積極的に知ることが大切だと思った」
「わずかの時間であったが、日韓の同世代が交流し仲良くなることができた。国や言葉が違っても心が太いパイプで結ばれるということを知った」