【JENESYS2.0】日本教員訪韓研修団第1団(2014.9.16~9.25)

JENESYS2.0の一環として、日本の若手教員約20名が訪韓し、9月16日から9月25日までの9泊10日の日程で研修を行いました(団長:上枝美紀子 香川県立三本松高等学校 教諭)。一行は滞在中、学校訪問やホームステイ、地方での文化体験等を通して、韓国の文化や社会について学んだほか、在韓国日本国大使館公報文化院を訪問し、日韓関係についての知識も深めました。(主催団体:公益財団法人 日韓文化交流基金、大韓民国教育部国立国際教育院)[@pause]
※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
9月15日(月)
研修前オリエンテーション
16日(火)
仁川空港より入国、国立国際教育院訪問、韓国の教育に関する講義
17日(水)
ソウル歴史博物館見学、在韓国日本国大使館 公報文化院訪問
18日(木)
ソウル永文初等学校、善隣インターネット高等学校訪問
19日(金)
天旺中学校訪問、ソウル市内視察(景福宮、明洞)、ホームステイ対面式
20日(土)
終日ホームステイ
21日(日)
午後ホームステイ先から集合、忠清南道へ移動、外岩里民俗村見学、伝統文化体験(伝統婚礼、韓紙扇子工芸)
22日(月)
韓国伝統楽器(サムルノリ)体験、公州麻谷寺でのテンプルステイ(韓国伝統仏教)体験、麻谷寺泊
23日(火)
武寧王陵、国立公州博物館見学
24日(水)
釜山へ移動、釜山市内視察(チャガルチ市場、APECヌリマルハウス)、感想報告会
25日(木)
金海空港より出国

 

ソウルに到着後、本研修の韓国側主催団体である国立国際教育院を訪問しました。歓迎式では、国際交流部長より、今回の研修を機に韓国を理解し、日韓友好の橋渡し的存在となってほしいという歓迎の言葉があり、団員たちはこれからの日程に臨む意欲を新たにしていました。

また、グローバルサイバー大学校 ハ・テミン教授より、韓国の教育に関する注目キーワードを取り上げていく講義を受け、学校訪問を前に、韓国の最新の教育事情について、理解を深めることができました。

2日目、在韓国日本国大使館 公報文化院を訪問し、大使館業務や日韓交流についての説明を受け、館内見学を行いました。多くの質問も挙がり、大使館の業務や日韓交流の現況について知識を深める機会となりました。

3日目午前、教育現場視察として、ソウル永文初等学校を訪問しました。
まず、生徒たちから、韓国の伝統音楽サムルノリの歓迎演奏がありました。生徒たちが、一生懸命演奏してくれる様子に団員たちは感激していました。授業見学では、4年生と6年生の英語の授業の内容を対比する機会もあり、団員たちは、時折、関係者に質問しながら熱心に見学していました。
学校関係者との懇談会も設けられ、教員だけではなく、保護者代表が数名同席していたため、団員からの各家庭での食の教育に関する質問に、保護者の方が答えてくれる場面もありました。

午後は、IT教育を中心とした特性化高校である善隣インターネット高等学校を訪問しました。コンピューターを使っての作曲の授業、日本語の授業の様子を見学したほか、野球部の練習の様子を見学しました。野球部見学の際には、グラウンドに呼びこまれ、部員からサイン入りボールのサプライズプレゼントもあり、団員たちは、一緒に記念撮影をしたり、言葉を交わすなど、ひとときの韓国の高校生たちとの交流を楽しんでいました。

4日目、天旺中学校を訪問しました。教科毎に決まった教室を使用する教科教室制など、多様な教育の取組みについて知識を得ることができました。団員が質問するだけではなく、学校側より、逆に、日本の教育事情についての質問が飛び出し、団員が答える場面もありました。団員たちと現場の教師が意見を交わす機会もあり、団員たちは直接気になることを熱心に質問していました。

その後、2泊3日のホームステイ体験を行いました。対面式の前は、まだ見ぬ韓国の家族たちに緊張の様子も見られましたが、ホームステイを終えた団員たちからは、「韓国人の考え方を知ることができた。良い家族と出会えて良かった」、「韓国の遊びを教えてもらい楽しかった。帰国後、生徒たちに教えてあげたい」、「とても親切にしてもらい、韓国人のあたたかさを感じた」と言った感想が多く聞かれました。

ホームステイを終え、一行は、ソウルから忠清南道に移動し、約500年前から定住する一族が現在でも暮らしており、伝統的な瓦屋根の家や茅葺屋根の家が立ち並ぶ外岩里民俗村を訪問し、風景を味わいながら、伝統の婚礼衣装の体験や韓紙扇子作り体験を行いました。

7日目、韓国の伝統音楽サムルノリの体験を行いました。まず講師による民俗芸能のパンソリや、韓国の代表的民謡の「アリラン」の披露があり、団員たちは一気にその奥深い魅力に引き込まれていました。
その後、チャング(太鼓)などの各自の担当楽器を選び、熱心に練習を重ねました。団員たちは、体全体でリズムを取りながら楽しんで演奏していました。

午後からは、公州・麻谷寺での1泊2日のテンプルステイに臨みました。お揃いの修行服に着替え、瞑想や座禅体験など、実際の修行を体験することで、今に伝わる韓国の伝統仏教を体験することができました。僧侶との対話の時間もあり、教育にもつながる、平常心の保ち方など心のコントロールに関して意見を交わす時間もありました。

テンプルステイを終えた後、公州市内の武寧王陵と国立公州博物館を見学しました。百済の遺跡や遺物を実際に見学することは、古代日本と朝鮮半島の関わりについて改めて実感できる機会となったようです。

研修を終え、団員たちからは以下のような感想が述べられました。団員たちは、今回の研修での体験や得たことを、学校現場で伝えていきたいと決意を新たにしていました。

・韓国の方との交流を通して、人間のあたたかさを感じた。人と人との交流の大切さを知った。
・関わった韓国の方が日本との関係を良くしようとしている姿に感謝したい。
・韓国の学校現場を視察し、教師同士で話もできて大変良かった。
・さまざまな報道があり正直不安であったが、自分の目で見た韓国はニュースとは違った。自分自身の目で見て感じることが大事だと感じた。生徒たちにも伝えたい。