【JENESYS2.0】徳島県吉野川市中学生訪韓研修団(2014.9.14~9.20)

当基金ではJENESYS2.0の一環として、全国の教育委員会等を通じ、中学生及び高校生の派遣を希望する地域を公募していますが、今年度も公募の結果、中学生と高校生の訪韓研修を4回(4地域)実施することとなりました。
今年度の第一陣として、徳島県吉野川市の中学生50名が訪韓し、9月14日から9月20日までの6泊7日の日程で研修を行いました(団長:三栖秀昭 鴨島第一中学校教諭)。[@pause]団員の中学生45名は吉野川市内の中学校3校から選抜された生徒達で構成され、韓国の中学校や大学訪問、文化体験・視察などを通じて、韓国の文化・社会に対する理解を深めました。(主催団体:公益財団法人 日韓文化交流基金、大韓民国教育部国立国際教育院)
※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
9月14日(日)
吉野川市出発、関西空港発、仁川国際空港着
9月15日(月)
国立国際教育院訪問、学校訪問準備、景福宮見学、ショッピングセンター訪問
9月16日(火)
上峴中学校訪問
9月17日(水)
在大韓民国日本国大使館訪問、木浦へ移動
9月18日(木)
木浦大学訪問、木浦共生園訪問
9月19日(金)
全州へ移動、韓屋ツアー、伝統韓紙工芸体験、ソウルへ移動、修了式
9月20日(土)
仁川国際空港発、関西空港着、吉野川市帰着

 
2日目は本事業の韓国側主催団体である国立国際教育院を訪問しました。教育院からは歓迎の挨拶を頂き、吉野川市中学生団を代表して団長先生が答辞の挨拶をされ、教育院訪問のお礼と韓国研修が実現したことへの感謝のご挨拶をされました。また同時に、異文化を受け入れる心構えにも言及され、団員一行はこれから始まる研修に向けて、気を引き締め直す時間にもなりました。歓迎式後は、上峴中学校と木浦大学で行う徳島県の魅力についての練習時間を持ちました。その中で徳島を代表する阿波踊りの練習には特に熱が入りました。

教育院での発表練習の様子

この日の午後は、景福宮を訪問し、朝鮮時代の歴史や文化について触れることができました。またショッピングセンターの訪問もあり、盛りだくさんの一日になりましたが、充実した時間を過ごすことが出来ました。

敷地の広さに驚いた景福宮見学

3日目は待ちに待った上峴中学校の訪問です。一行のバスが学校に着くと、校舎から上峴中学校の生徒達が出て来て歓迎してくれる姿に、皆、緊張と期待が膨らみました。
歓迎式の終え、いよいよパートナーとの対面の時間です。自分の名前と韓国の生徒の名前が読み上げられると、お互いに挨拶をして、各教室へと移動しました。握手をして挨拶をする生徒もいれば、恥ずかしそうにしながら教室へと向かう生徒の姿も見られました。

パートナーと一緒に各教室へ

授業体験の1時間目は、3グループに分かれ、韓国風お餅ケーキ作りや、うちわの絵付け、ヘグム(胡弓に似たもの)の練習を行いました。特にヘグムの演奏は、音程を取るのが難しくパートナーの韓国の生徒に教えてもらいながら、なんとか1曲弾くことが出来ました。
2時間目は、体育の時間でした。体育も3グループに分かれ、ダンス、サッカー、韓国舞踊を学びました。

ヘグムを教えてもらう様子

韓国舞踊体験

授業の後は、いよいよ徳島県の魅力について、上峴中学校の皆さんの前で発表する時間です。
阿波踊りの実演を皆の前で披露し、一日一緒に過ごしたパートナーの皆さんも一緒に踊ってくれました。

上峴中学校での阿波踊り実演

パートナーと一緒に阿波踊り

学校訪問を終え、団員からは、「ひとりひとりにパートナーがついてくれたので楽しかった」、「発表で阿波踊りを踊ったら、みんな一緒に踊ってくれて嬉しかった」、「連絡先を交換した。海外で初めて友達ができて嬉しい」といった感想が聞かれ、思い出に残る1日を送ることが出来ました。

4日目は駐韓国日本国大使館公報文化院を訪問しました。職員の方から、業務の説明を受け、その後は団員からも沢山質問が出ました。質問内容は、大使館の仕事でのやりがいや大変だったこと、また海外で働くことの大変さ、などに及び、韓国での日本大使館業務を身近に感じることが出来ました。
この訪問を終え、一行は木浦へと移動しました。

駐韓国日本国大使館公報文化院の訪問

5日目は、本研修団の運営をして下さっている木浦大学を訪問しました。自然に囲まれた広いキャンパスに感嘆の声を上げている団員もいました。
ここでも歓迎式をして下さり、木浦大学の大学生の前で徳島県の魅力について発表する機会を持ちました。発表後には、木浦大学の大学生から、阿波踊りの起源、お祭りの時期などについての質問を受けました。
その後の交流会では、団員各自が用意した課題について、大学生にインタビューをする時間を持ちました。団員の課題は多岐にわたり、韓国の伝統競技、韓国での人気料理、自分が大切に思っているものなどについて、質問を行いました。団員皆が臆することなく、韓国語で一生懸命質問をしていました。

木浦大学の大学生の前で阿波踊り実演

課題について大学生に質問

木浦大学訪問後には、一行は木浦共生園を訪問しました。ここは、日本の植民地時代に韓国の基督教伝道師と日本人の田内千鶴子さん夫婦が力を合わせて、孤児になった子供たちを育てた歴史があります。映像や展示物を通じて、苦難の時代の中にも子供たちを守る使命を貫いた田内千鶴子さんの生涯に触れ、偉大な日本人がいたことに感銘を受けました。

映像で田内千鶴子さんの生涯を学ぶ

6日目は全州へ移動し、全州の街並みを見学しました。韓屋が広がる街を歩きながら、朝鮮時代の雰囲気に触れることが出来ました。また韓紙工芸体験では、韓紙に糊をつけて、オリジナルの筆箱を作りました。

韓屋を見学

韓紙で作る筆箱

全日程の研修を終えた団員からは、以下のような感想がありました。
・このような「国をこえた交流」を中学生で経験できたことは素晴らしいことだと思うし、今後の人生の糧になると思う。
・今回の研修で、自分たちは日本と韓国の未来を託されたような気がする。そのことを忘れずに立派な大人になりたい。
・これまで、テレビの情報をうのみにし、韓国に対しあまり良いイメージを持っていなかったことを反省した。

また研修を終え、以下のことを周りの方々に伝えていく予定です。
・友人に、韓国人はとても優しくいい人ばかりだということを伝えたい。
・韓国で学んだことを周りの皆にしっかり伝え、韓国に対するイメージを変えたい。
・韓国の事をあまり良く思っていいない人達も多いので、自分の見たまま、感じたままの韓国を、精一杯伝えていきたい。
・日本と韓国の関係は、政治面では確かに良くないかも知れないが、この訪韓研修に参加して韓国の人と直接話を聞くことによって、日本に悪い印象を持っている韓国の人はそんなに多くないと感じた。隣の国としてお互いが仲良くできるようにするために、私に何ができるか考えていきたい。