【JENESYS2.0】福島県いわき市中学生訪韓研修団(2014.10.5~10.11)

当基金が「JENESYS2.0」の一環として実施している中学生訪韓研修の第2陣として、10月5日から10月11日までの6泊7日、福島県いわき市の中学生50名による訪韓研修を行いました(団長:鈴木和美いわき市教育委員会総合教育センター兼体験型経済教育施設所長)。[@pause]
団員の中学生45名はいわき市内の中学校33校から選抜された生徒会長らで構成され、韓国の中学校訪問や文化体験・視察などを通じて、韓国の文化・社会に対する理解を深めました(主催団体:公益財団法人 日韓文化交流基金、大韓民国教育部国立国際教育院)。

※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
10月5日(日)
いわき市出発、羽田空港発、金浦国際空港着
10月6日(月)
国立国際教育院訪問、大学生との交流、文化体験(キムチ作り)、学校訪問準備
10月7日(火)
ソンサ中学校訪問、ショッピングセンター視察
10月8日(水)
韓国民俗村見学(短簫作り)、水原華城見学
10月9日(木)
文化体験(伝統衣装、礼儀作法)、仁寺洞、明洞見学
10月10日(金)
景福宮見学、samsung d’light見学、在大韓民国日本国大使館訪問、修了式
10月11日(土)
金浦国際空港発、羽田空港着、いわき市帰着

 

本格的な研修の始まりとなった2日目、一行は滞在中に毎日研修に同行し、さまざまなサポートをしてもらうソウル神学大学校の学生とグループ別に対面。自己紹介をしながら顔と名前を確認すると、互いにすぐに打ち解けていました。続いて、大学生が先生役となってリードする「歌いながら覚える韓国語講座」が開かれ、団員らは軽快な曲に乗せて何度か韓国語で歌うことであいさつ言葉を簡単に身につけることができました。

午後は忠清北道・鎮川へ移動し、キムチ作りと工場見学を行いました。帽子にエプロン、ビニール手袋、長靴という全身完全装備の作業着に着替え、後にお土産として持ち帰るキムチを丁寧に作りました。

3日目は、本研修のメインといえる現地のソンサ中学校訪問の日でした。団員には1名ずつ交流パートナーが割り当てられており、対面式で1組ずつ日韓双方の名前を呼びながら組み合わせが発表されました。韓国生徒は名前を呼ばれると、思い思いの装飾をした手作りボードを掲げて立ち上がり団員に手を振ってくれるので、緊張した団員の面持ちも笑顔に変えリラックスした雰囲気になりました。

その後、パートナーと一緒に各クラスへ移動し、授業体験に臨みました。芳香剤作りをする科学やクイズ形式の英語など体験型の授業に参加し、周りの韓国生徒も温かく接してくれたおかげで、すっかり仲良くなっていました。
午後は歓送会が開かれ、韓国生徒の室内楽演奏やダンスに続き、団員が「友好」をテーマとした発表を行いました。いわき市の概要や生徒会サミット活動、両国の文化比較、東日本大震災時の支援に対する謝意など、自分たちで考えたメッセージを団員一人一人が全て韓国語で伝えました。さまざまな内容が込められた発表に時には大きな笑いを、また時には震災の実態に驚きながら聞き入っていた韓国生徒でしたが、最後に団員全員で力強く「友好の輪を広げよう」と呼びかけると場内は大歓声と拍手に包まれました。
訪問を終えた団員からは「パートナーの明るく、積極的な姿勢はリーダーとして学ぶ点があった」「発表を聞く韓国生徒は、日本人のようにただ静かに聞くのではなく、盛り上がる所は楽しく、真面目な話は真剣にとメリハリがあって発信しやすかった」などの感想が聞かれました。

4日目は京畿道へ移動し、韓国民俗村や水原華城の見学を行いました。韓国民俗村では文化体験として伝統音楽で使われる短簫を作りました。リコーダーのような竹製の管楽器である短簫は5箇所に穴を開け、やすりで仕上げると完成。作るのは簡単でしたが、音を出すのには一苦労でした。なかなか音を出せなかったのが、講師の先生に吹き口をうまく当ててもらうだけで不思議と音が出る団員もいましたが、何度拭いても音の出ない団員もおり、演奏の難しさを感じていました。

5日目は韓国の伝統衣装試着と礼儀作法を学ぶ文化体験を行いました。最初は男女に分かれて着替えるため、相手の姿は見えません。いざ対面すると鮮やかな衣装に変身した姿に照れながらもお互いに写真を撮り合っていました。中には新郎・新婦や学者などの試着もあり、その特徴も知ることができました。試着の後は立った姿勢から屈んでお辞儀し、また立ち上がるという一連の動作を真似ながら礼儀作法を学びました。

6日目はサムスン電子の広報館「samsung d’light」でサムスンブランドの製品や最新のデジタル技術に触れた後、本社の社員食堂で昼食をとる機会を得ました。社員食堂といっても中はとても広く、おしゃれなカフェテリアといった印象です。まず入り口の大きな電光掲示板に案内される複数あるメニューから自分の食べたいコースを選択し、思い思いの場所でおいしくいただきました。短い時間でしたが韓国の有名企業の社員になった気分を感じる時間となりました。

午後は駐韓国日本国大使館公報文化院を訪問しました。山後副院長から「短い期間だが今回の貴重な体験を今後に活かして欲しい」と激励を受け、大使館とはどういった所かをやさしく教えていただいたり、団員の質問にも答えていただきました。団員からは学校訪問の時に韓国語で行ったプレゼンテーションを、今度は英語バージョンで発表しました。これまでの練習の成果が発揮され精一杯の力を出し切った姿に大使館の方からも高く評価していただきました。

全ての研修日程を終えた団員からは、「言葉の壁を乗り越えてコミュニケーションをとれば思いは伝わるので、伝えようとすることの大切さを感じた」「学校から一人しか参加しておらず、自分しか体験できなかったことを自分の言葉でみんなに伝えたい」「訪問した韓国の中学生と今後も連絡を取り合って再会したい」といった声が寄せられました。