【JENESYS2.0】青少年映画交流アジア国際子ども映画祭参加訪日団(2014.11.25~12.1)

「JENESYS2.0」の一環として、在大韓民国日本国大使館で選抜、派遣されたアジア国際子ども映画祭参加訪日団10名(引率1名含む)が、11月25日から12月1日までの6泊7日の日程で訪日しました(引率:李京和(イ・ギョンファ)梅香情報女子高等学校教諭)。[@pause]
一行は、今年でアジア国際子ども映画祭※に参加したほか、首都圏、兵庫県南あわじ市、神戸市にて映像関連施設や学校訪問等を通して日本の魅力を発見しました。

※ アジア国際子ども映画祭とは、子どもたちが映画制作を通じて、社会に出るまでの目標や目的、競争意識、自覚を持たせ、感受性豊かな人間に育ってほしいという杉良太郎氏の想いから生まれたプログラムで、2007年度より開催。本年度の開催地は兵庫県南あわじ市。各国・地域において選定された優秀な作品の制作者が招へいされ、「アジア国際子ども映画祭(本選大会)」に作品を出展し、また映画制作を通じた各国・地域の中高生による国際交流を行う。韓国は2010年から参加。

※「JENESYS2.0」の概要についてはこちらをご覧ください。

<日程>
11月25日(火)
羽田国際空港着、オリエンテーション、歓迎夕食会
11月26日(水)
埼玉県立芸術総合高等学校訪問、トトロのふるさと基金クロスケの家見学
11月27日(木)
川越城、川越市蔵造り資料館、松本醤油商店見学、南あわじ市へ移動
11月28日(金)
淡路人形座人形浄瑠璃見学、鳴門海峡うずしお観潮船乗船、映画祭参加者交流会
11月29日(土)
アジア国際子ども映画祭本選大会
11月30日(日
神戸映画資料館、神戸北野地区異人館、神戸港震災メモリアルパーク見学
12月1日(月)
関西国際空港より出国

 

訪日日程前半は、埼玉県所沢市の埼玉県立芸術総合高校を訪れ、映像芸術科の生徒との交流をはじめ、「ビデオ表現」授業に参加しました。授業では、日韓双方の学生が制作したショートムービーを鑑賞し、感想を述べ合いました。その後、日韓混成のグループに分かれて、ビデオカメラを片手に日本語、韓国語で交互に「しりとり」をしながら、しりとりで出た単語をテーマに1カットずつ映像を撮影、それらをつなげて一つの映像作品を作る取り組みをしました。そのほか、校内見学では、プロの声優の指導のもとに行われるアテレコの授業をはじめ、絵画やダンス、音楽など専門科目の授業の様子を見学しました。
 

交流を終えて、芸術総合高校の生徒から、「互いに良い作品を見たり、一緒に映像を作ったりと楽しい時間を過ごせた」という感想が述べられ、韓国高校生からは、「映像制作を志す学生どうし、言葉や国を超えて良い交流ができた」と感想が聞かれました。

学校訪問の後は、学校近くのトトロのふるさと基金「クロスケの家」を見学しました。映画「となりのトトロ」に登場するような武蔵野の里山を保全する取り組みについて説明を受けたほか、園内で保存されている古民家を見学しました。

研修三日目は、川越城本丸御殿や川越市蔵造り資料館を見学しました。また、川越市内で180年にわたり醤油作りを続けている松本醤油商店も訪れ、地元の原料を使って昔ながらの製法で醤油を作り続けているとの説明を聞きました。韓国高校生たちは、日本の職人たちのものつくりへのこだわりと伝統を守り続ける姿を学ぶことができました。

日程の後半は、兵庫県南あわじ市に移動し、淡路島に古くから伝わる人形浄瑠璃の公演や鳴門海峡のうずしおを見学しました。秋晴れで天候に恵まれる中、淡路島の自然や文化、歴史を体感する経験となりました。
また、夜には映画祭に参加する韓国を含む15の国・地域の代表と地元の小中高生との交流会が行われ、ゲームや各国の特技自慢などが行われ、交流を深めました。
 

11月29日は南あわじ市文化体育館を会場に、韓国を含むアジア地域の15の国・地域の代表が参加して「アジア国際子ども映画祭」本選が行われました。今年度は「わたしの夢」というテーマで国内外より計235作品が出品されました。各国・地域の青少年たちが制作した作品には、将来の夢やハンディを背負いながらもあきらめずに夢を追う姿などが描かれていました。
韓国からは3作品が本選に出品され、そのうち梅香女子情報高校の生徒が制作したアニメーション作品「空へ飛ぶ」が法務大臣賞を受賞しました。この作品は主人公が幼いころ鳥のように空を飛べたらという夢を、大人になってから忙しい日常の中でも、夢をあきらめずに叶える様子を描き、夢を抱き続け、いつかはそれが叶うという希望を大切することを訴えた内容でした。表彰式のインタビューで受賞者の一人は、「将来は映像制作の仕事に携わりたい」との将来の夢を語っていました。

映画祭本選が終わった翌30日、神戸市の神戸映像資料館、北野地区の異人館、神戸港震災メモリアルパークを見学し、12月1日に帰国しました。

研修直後、行事参加者を対象にアンケートを実施したところ、下記のような感想がありました。
○映画祭に関して
・参加した作品のレベルが高いことと、アジアの様々な国・地域の子どもたちと交流できたことが印象的だった。
・各国・地域の子どもたちと話、その国・地域の文化を理解することができた。

○学校訪問について
・学校訪問で、同世代の友達がたくさんできてうれしかった。
・日本の学生たちの明るく、親しみやすさもあり、楽しく心温まる思い出ができた。

○日本について(日本人・文化など)
・日本の人たちの伝統を受け継ぎ、守っている姿が印象に残っている。韓国も見習いたいと思った。
・来日前は日本について良い印象を持っていなかったが、実際に訪れてみて印象が良い方に変わった。