「日韓交流オンライン訪日団」第3週目 「東日本大震災被災地域:福島からのオンライン視察」

 第3週目となった9月12日(土)のテーマは「東日本大震災被災地域:福島からのオンライン視察」です。今回は福島県福島市を「訪問」し、現地で各種のプログラムを実施しました。
 冒頭、福島県の概要や県内各地の四季折々の様子を紹介する映像を視聴しました。続いて大学生訪韓団OGでもある福島県在住の学生が案内役となり、JR福島駅前から名物の円盤餃子のお店や奥の細道にちなんだ芭蕉・曾良の旅姿立像、福島県観光物産館のにぎわう様子などを見学しました。

 福島県観光物産館では、同館館長の櫻田武さんの案内により、お米や酒など、福島県が誇る名産品について説明を受けました。

 次に、福島市内にある韓国家庭料理カフェ「FUKUKANいやしカフェ」へと舞台を移し、同カフェを営む「NPO法人ふくかんねっと」理事長の鄭鉉淑(チョン・ヒョンスク)さんにお会いしました。「“食で心身(からだ)を癒す”」をコンセプトに、医食同源に基き身体に良い韓国料理で人々をもてなすこのカフェは、福島と韓国の交流に取り組む「ふくかんねっと」の活動と連動し、福島復興の一助になりたいという思いを持つ人々の集う場でもあります。
 「いやしカフェ」内の様子を紹介いただいた後、「福島で20年―キムチおばさんとして生きて」と題する鄭鉉淑さんの講義が行われました。

 講義では、日韓交流に尽くされてきたご自身の活動について、「キムチおばさん」の愛称の由来となった韓国料理教室をはじめ、日韓両国の地方在住の青少年を対象とした交流プログラム、耕作放棄地を活用した農作物作りの話がありました。また、自分にとり人生の大きな転換点となった東日本大震災を経て、「この先どこで生きていくべきか? どう生きていくべきなのか?」と思い悩むようになったそうですが、この地の自然や地域を愛し、次世代を担う若者の未来を考えて生きていこうと決心するに至った、というエピソードについても話が及びました。

 講義後の質疑応答では、「キムチを日本で作る際に苦労した点」や、「福島の人たちは韓国のどのような部分に関心があるのか」といった質問がありました、「原発事故の後、マスコミの報道などでいろいろな話が聞こえてくるが、韓国の学生としてどんなことができるか」という学生からの問いに対し、鄭さんは「福島に住む一人の声として、学生の皆さんが今日の講義で感じたことをそのまま周りに伝えてほしい、そして百聞は一見に如かずというが、実際に福島を訪れてみてほしい」と答えていました。
 この日の最後は、「福島の魅力について」と題し、冒頭で福島市内を案内してくれた学生たちからのプレゼンテーションが行われました。会津、中通り、浜通りの3地域の特徴や見どころ、グルメなど、震災後も変わらない福島県の魅力が紹介されました。


 次週は、「お互い気になることをとことん話し合おう」というタイトルで、コロナ禍における新たな交流の方法や日韓関係などをテーマに、日韓の若者同士がグループ討論を行う予定です。

★この日の様子が朝日新聞に掲載されました
【朝日新聞】2020年9月26日夕刊 「日韓交流オンライン🎥福島」
 (オンライン版(有料)でもご覧になることが出来ます)