「日韓交流オンライン訪日団」第4週目「気になることを、とことん話し合う」

 「日韓交流オンライン訪日団」は4週目を迎えました。この週は若者同士の自由な意見交換を通して互いの理解を深めようという趣旨で行われました。キャッチフレーズは「気になることを、とことん話し合う」。小グループに分かれてのセッションの後、全員が集まって発表会を行い、新たな気付きを得ようとするものです。
 6~7人のグループに分かれ、1週目に行った6~7人ごとのグループセッションで話し合うテーマを決め、この日に向けて各自の考えをまとめてきました。2週目3週目のプログラムを通じて、「ぜひ福島や日韓関係のことについて話し合いたい」と、当初のテーマを変更したグループもありました。
 テーマは、日韓関係、交流アイデア、文化比較など多岐にわたりました。また、3週目までのプログラムについて感じたことや考えたことを語り合う時間にもなりました。
 今回の「オンライン訪日団」への参加人数は、予定外の100人超となったため、グループ数も16に上りました。ここでは意見交換で出た内容の一部をご紹介します。

★お互いの国についてのイメージ
・メディア報道により相手国に対するイメージは良くなかったが、実際に会ってイメージが一変した。交流することで他国へのイメージは変わる。政治よりも、まずは交流が大事だと思う。

★福島へのイメージ改善に対する具体的アイデア
・韓国では福島をよく知らないがゆえの誤解も多い。直接足を運び、現地で話を聞くことが大事だ。旅行会社に福島のパッケージツアーを提案したい。
・私たち若者がSNSを通し発表することが大事だと思う。みんなで積極的に発信しよう。
・福島に旅行に行くのは危険だといわれていた人もいた。しかし、ドキュメンタリー映画を見て理解が深まった。震災後も苦しんでいる人の存在を知り、私たちは自然と密接にかかわっていることを忘れず、共存していかなければならないと感じた。

★日韓関係の発展、協力関係の構築について/ オンラインを通じた日韓交流について
・例えば、韓国の発展に貢献した市井の日本人のエピソードなどを、日韓の市民にもっと広く知らせる努力をしたい。
・メディアの重要性について痛感した。市民レベルでの相互理解が深まることが大事だが、ポジティブな情報が少ない。東日本大震災の際の韓国からの支援について、日本であまり知られていない。そのようなポジティブなイメージや情報がもっと広がれば、最終的には政治レベルにも影響があるのではないか。韓国と異なり日本では、韓国製品不買運動もなければ若者の訪韓も継続した。
・試験のための歴史ではなく、「正しい歴史」「正しい知識」を学ぶべきだ。
・オンライン訪日団には、時間も場所も制限を受けずに民間交流を持続的に行えるという良さがある。
・日韓でどんな歴史を受けてきたのか互いに教えあい、日韓共同で歴史教育を行ってもよい。
・姉妹都市交流は重要だ。2016年に熊本地震が起きた際には、熊本県と姉妹縁組を結んでいる忠清南道より支援があった。
・NGO間の協力によって、市民同士の交流を活発化させるべきだ。

★日韓関係について、市民はどのような姿勢であるべきか、個人として何ができるのか
・根拠のない話をする人を、信じない。惑わされない。国やメディアから与えられる情報にだけ依存するのではなく、相手国の友人・知人に聞いてみる。
・国を超えた友人を作る。友人を得れば相手の国に対する偏見をなくすことができる。短絡的に判断するとこがなくなり、肯定的にとらえようとするのではないか。

 このように多様な意見が出されましたが、共通していたことはやはり、「往来が再開したら、『オン』ラインで交流した仲間と、『オフ』ラインで再会し、さらに交流を深めたいということでした。
日韓文化交流基金では、この4月以降、オンライン上での日韓若者交流という取り組みを続けてきました。「コロナ禍」のなかでも途切れることのない交流の形を模索する中で、オンライン交流がもつ可能性を知ると同時に、オフライン交流の持つ力を、あらためて認識しました。
 
 オフラインでの交流が再開された暁には、これまで経験を生かして、さらに良い事業が展開できるように努力して参りたいと思います。
 今回の「オンライン訪日団」参加してくださった日韓の若い皆さん、ならびにご協力くださいましたすべての方々に、心から感謝申し上げます。
 次はいよいよ最終週5週目へ。「日韓交流おまつり 2020 in Tokyo 」日韓文化交流基金オンラインブース ― 「おうち時間は韓国人の若者とおしゃべりしよう!~ステイホームでできる日韓交流」へと続きます。