報告 【JENESYS】 韓国高校生訪日団(第1~2団) 終了

 10月22日から7日間の日程で来日した、韓国高校生訪日団第1団および第2団。一行は滞在中、都内での日程を経て、今回は団ごとに異なる地域を訪問しました。1団は滋賀県及び徳島県を中心に、2団は富山県及び福井県を中心にそれぞれ地域の特色に触れる様々なプログラムを体験しました。

【SDGs関連プログラム】
 1団は兵庫県の淡路島にて「タネノチカラチーム」が運営する「体感型SDGs研修」に参加しました。「耕作放棄地で行う持続可能な土づくり」をテーマにレクチャーを受けたほか、実際に農薬、水、肥料を使わない畑の作り方を学びました。
 その後徳島県に移動し、徳島県庁を表敬。続いて「徳島県のSDGsの取組み」の講義では、徳島県内の高等学校における「エシカルクラブ」について伺いました。県内すべての高校にクラブがあり、放置竹林を活用し竹紙を作り商品化している事例や、徳島県の伝統工芸である藍染めを藍の栽培から商品化まで企業と連携することで、伝統工芸の継承に取り組む事例を学びました。団員たちは高い関心を示し、たくさんの質問をしていました。

 2団は富山市役所表敬訪問と講義聴講、SDGs実践に取り組む企業訪問や、海洋プラスチックごみ問題解決のための活動体験などを行いました。企業訪問では、地元企業の会宝産業株式会社にお邪魔しました。解体業という枠を超え、自動車リサイクル事業に取り組む同社は、「第2回ジャパンSDGsアワード」でSDGs副本部長(外務大臣)賞を受賞しています。
 自動車リサイクル事業に関する説明を受けた後、自動車の解体工場を実際に見学しました。団員たちは説明にあった「私たちは日本人でも韓国人でもなく、地球人である」という言葉が、強く印象に残ったようでした。
 海洋プラスチックごみ問題解決のための活動では、団員たちは地元の千里浜(ちりはま)で見た、朝鮮半島から流れ着いたと思われる海洋プラスチックごみの光景が衝撃的だったようですが、「日韓交流」というテーマでこれらのごみを使ったアートの制作を通して、海をきれいに保つ大切さはもちろんのこと、私たちが国を問わず「地球人」として共に地球規模の課題に取り組んでいくことの重要性について認識を新たにしました。

【学校訪問】
 1団は滋賀県の立命館守山中学校・高等学校と徳島県立城ノ内中等教育学校を訪問しました。
 授業体験では英語や地理のほか、書道の体験や、日韓混合チームでバレーボールの試合を行うなどして、さっそく打ち解けたようで、部活体験・見学ではハンドボール、野球、サッカー、吹奏楽、茶道、百人一首、剣道、フェンシングなども体験し、中身の濃い一日を過ごすことが出来ました。

 2団は富山国際大学付属高等学校及び福井県立福井商業高等学校を訪問しました。
 授業体験では華道やけん玉といった日本の伝統文化に触れ、また部活動体験では日韓混合チームでバスケットボールの試合を行うなど、日本の高校での1日を体験し、同世代の暮らしについて理解を深める貴重な時間となりました。

【誠信交流の歴史に触れる】
 1団・2団共に、滋賀県内で朝鮮通信使関連の史跡などを見学しました。往来のルートであった「朝鮮人街道」や当時通信使一行が立ち寄った本願寺八幡別院、また当時の善隣外交に貢献した儒学者・雨森芳洲の功績を今に伝える「東アジア交流ハウス雨森芳洲庵」などを見学しました。

 盛りだくさんの日程でしたが、皆さんよく頑張りました。これからも、日本のいろんなことに関心を持ってくれることを願っています。

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報道実績
華道通じ日本文化学ぶ 韓国の高校生、富山国際大付属高生と交流 北日本新聞(ウェブ版・紙面版(18面) 10月25日)

富山新聞朝刊「ほたるいか」欄(ウェブ版・紙面版 10月25日)

韓国の高校生らが城ノ内中等教育学校を訪問 交流を深める【徳島】 四国放送(10月26日夕方ニュース)

韓国の高校生と交流 福井商高生 ゲーム通し文化紹介 中日新聞(10月27日ウェブ版)