報告【JENESYS】 韓国青年訪日団(第7団) 終了

 釜山・慶尚道および済州道地域から選抜された発信力のある韓国の大学生・高校生等64名が2月20日より9日間日本に滞在し、「日韓共通の課題を探る」をテーマに各地を訪問しました。
 今回は大学生と高校生の混成で来日し、日本滞在中は大学生チーム(第7団)と高校生チーム(第8団)に分かれて過ごしました。
 7団は東京・宮城・大阪・和歌山にて、防災、SDGs、少子高齢化について学ぶプログラムに参加しました。
 都内滞在中は外務省で「新しい日韓関係」をテーマにお話を伺った後、JKAF(大学生訪韓団の同窓組織)の学生との交流会を実施しました。この交流会では、2001年にJR新大久保駅でホームから転落した人を救おうとして落命した、故李秀賢さんについて学び、新大久保エリアを共にフィールドワークするなどしました。

【宮城】
 仙台ではまず、東北大学災害科学国際研究所で「歴史が導く災害科学の新展開」という内容の講義を聴講し、古文書等を通じた歴史の教訓と様々な分野のコラボ研究の必要性について学びました。また1月1日に発生した能登半島地震にも話が及び、時宜を得た非常に有意義な講義となりました。
 次に訪問した東北福祉大学では、同学の学生による多様なボランティア活動について紹介があり、日韓共通の社会的課題についての意見交換も行いました。

 このほか、震災復興施設である「深沼うみのひろば」の見学時には、震災後の地域復興に取り組むインカレサークル「ReRoots」の皆さんにもお会いして、若者の農業定着や未来の農業の在り方などについての意見交換や、実際に津波が押し寄せてきた海岸まで散策しながら震災遺構を見学するなどしました。

【大阪】
 「おおさかATCグリーンエコプラザ」では最新の環境保護に関する情報発信や、環境保全の為の企業のイノベーション促進事例などについてお話を伺いました。また「あべのハルカス」では環境に配慮した最新の発電技術や、耐震・制振構造について学びました。

【和歌山】
 滞在中の土曜日から月曜日にかけて訪問した和歌山では今回、南紀州交流公社のご協力を得て同地域に滞在しました。
 まずは同地域の魅力などについてお話を伺い、次にお世話になるホストファミリーの皆さんと対面し、ホームステイが始まりました。皆、緊張した面持ちで土・日2日間のホスト宅へと出発。
 それぞれのホスト宅では家族と一緒に料理したり、ひな人形を飾ったり、伝統工芸を体験したりするなど、楽しいひとときを過ごしました。

 週が明け、月曜日に再集合。ホストファミリーといざお別れとなると、涙、涙のお別れとなりました。

 このほか、滞在中は地元の志原海岸でプラスチックごみ拾いを行い、近年その深刻さが指摘される海洋プラスチックごみ問題を肌で感じました。

 南紀州滞在の最後は地元の学校訪問。全校生徒14名の白浜町立安居小学校と、隣接する全校生徒4名の三舞中学校を訪問し、両校の全校生徒に歓迎を受け、楽しい交流の時間を過ごすとともに、日本の地方における少子化の現実についても学んだ貴重な時間となりました。

 帰国前日の夜は宿舎で成果報告会を実施しました。
 「日本の皆さんと将来の夢や趣味等について語り合いながら、自分は今まで人生を余裕もなく生き急いできたのではないか、余計な荷物は置いてもう少し余裕をもって生きていってもいいのではないかと思うようになった」
 「日本と韓国は多くの類似した社会的課題を抱えていることを学び、様々な視察や体験を通じ、成長できたように感じた。今回の成長を基に、帰国後、周りの若者に日本への関心を持つよう呼びかけ、未来の日韓において抱える様々な共通課題を解決できるような人材としてさらに成長していきたい」
など、たくさんの熱い思いが語られました。

 団員の皆さんには帰国後、一人でも多くの人に今回の体験を伝えてもらいたいですし、将来、両国の共通課題に取り組む、架け橋のような存在になってくれるなら、なおのことうれしいです。活躍を期待しています。

【追伸】
一行帰国後の3月16日(土)に釜山市内で、釜山・慶尚地域のJENESYS参加経験者の同窓会が開催され、今回の訪日団の活動報告会も実施されました。そして、釜山・慶尚地域の同窓組織「KJAFB(Korea Japan Alumni Forum in Busan)」が発足しました。今後のKJAFBの活動に期待したいですね!

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訪問先ウェブサイトでの紹介事例
東北福祉大学(JENESYS 日韓青少年交流事業
ReRoots(仙台市若林区で震災復興と地域おこしに取り組む学生ボランティア団体/2月23日 韓国青年訪日団の方と交流しました!