報告 令和5(2023)年度大学生訪日団 終了

 当基金が毎年実施する青少年交流事業は、その開始に至る経緯にいくつかの種類があります。10月31日から9日間の日程で来日した「韓国大学生訪日団」は、日本の外務省と韓国の外交部が1970年代にスタートした大学生の相互招へい事業に由来します。現在、この事業は日本側では当基金、韓国側では韓国国際交流財団が計画立案や必要な手配等の実務を担当しています。

 今年は韓国全土から選抜された大学生等29名が「グローバル課題の解決に向けた日韓協力」をテーマに、首都圏(東京都、埼玉県)、広島県、大阪府を訪問しました。

 前半の日程では、まず外務省の日韓交流室長による最近の日韓関係についての講義聴講や駐日韓国文化院の表敬訪問を行いました。
 また埼玉県日高市にある埼玉女子短期大学を訪問して学生との交流を行ったほか、朝鮮半島ゆかりの神社として知られる同市内の高麗神社を埼玉女子短期大学の学生と共に見学しました。

 さらに今回の日程では、この訪日団とセットで実施された日本の大学生訪韓団のメンバーとの交流も行いました。大学生訪韓団は訪日団に先行する形で今年9月に実施され、テーマも同じく「グローバル課題の解決に向けた日韓協力」。日本の大学生のソウル滞在中に両団の団員は顔合わせを行い、同じテーマのもと、日韓混合のグループごとに日本でプログラムの成果を発表するための計画を練る等しました。その後、グループごとの準備を経て、今回の訪日団滞在中にその成果を発表し、訪韓団・訪日団全体で共有する時間を持ちました。

 続いて日程後半で一行は広島県に移動し、北広島町にて2泊3日のホームステイを体験した後、県内視察では広島県庁で広島の魅力についてブリーフィングを受け、平和記念公園の見学等を行いました。語り部による被爆体験の話を伺った際は、団員たちの一語ももらすまいと一心に聞き入るかのような表情がとても印象的でした。

 最後は大阪に移動し、おおさかATCグリーンエコプラザを訪問しました。最新の環境保護に関する情報発信や、環境をテーマに企業のイノベーション促進に取り組む同施設で、グローバル課題である環境問題に対する日本の取り組み事例について学びました。
 全日程を終え、団員たちからは「二度と原爆のような悲劇を経験しないよう、世界中が協力しなければならないと感じた」「交流活動を通し、日本の友人たちの考えと感情を共有できた」といった感想が述べられました。
 世界規模の課題に対し、日韓両国が協力する場面は今後ますます増えていくと思いますが、今回の参加者からそうした現場の第一線で活躍する人材が出てくれることを期待したいと思います。

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報告 令和5(2023)年度大学生訪韓団 終了(この訪韓団一行が韓国滞在中に、来日前だった訪日団メンバーと交流を行いました)

報道実績
高麗神社に韓国の学生 埼玉女子短大と交流(埼玉新聞 2023年11月6日付)
(電子版は会員制サイトでのみ閲覧可能です)

広島テレビ 『テレビ派』「G7広島サミットから半年 経済波及効果は?」(2023年11月20日放送)
現在は広島テレビ公式Youtubeチャンネル「広島テレビニュース」にて視聴できます
(この動画の3分頃より、一行の広島平和記念資料館訪問時の様子が紹介されました)